2014年9月25日木曜日

「英語にハマりませんか?」No.115

今回はひさしぶーりにEconomistの記事を取り上げます。
 
Sony’s woes Pouring cold water

というタイトルで、ソニーの業績が悪いという、広く報道されているニュースなの
ですが、導入部がエコノミストらしいと言えばらしいという理由で取り上げました。
短いということもありますし。
This month the chief executive of Sony, Kazuo Hirai, gamely subjected himself
to the “ice-bucket challenge......

という書き出しです。
ひところ毎日のように報道されていた、氷水をかぶって難病への理解と寄付を
訴えるという「有名人の環!」的なイベントに平井社長も参加したということです。
そして、今週平井社長は再びこのぞっとするような寒さ(chilling sensation)を
味わったに違いない、なぜなら、携帯電話事業の170億ドルの減損を発表したから
という展開です
ソニーとしては、

the undisputed king of consumer gadgets

である携帯電話事業である程度の成果を収めてきており、不調のコンシューマー
・エレクトロニクス(黒物家電という訳もあるようです!)部門の救世主として期待
されていたが、結局そうはならなかった。
原因は、

It missed out on the category’s earlier boom
(ブームに乗り遅れた)

ということです。

ow-cost Chinese manufacturersの台頭もあって、ソニーの世界シェアは3.1
低下ということで今回の措置に踏み切ったようです。
これまでかなりのリストラはやってきているのですが。

spun off its television unit into a separate entity(テレビ事業の子会社化)」や
パソコン(Vaio!)事業の売却など。
それでも、Economistは、

Sony still makes all the same products – and often, too many versions of them
– as it did five years ago.

という厳しい指摘。
そして、

It is high time ....... for Sony’s management to begin the kind of vigorous
restructuring that ...... returned Japan Airlines from bankruptcy to profits......

high time」-頃合い、最後のチャンスというニュアンスもありそうです。
ただ、

many people wonder whether Mr. Hirai, a Sony lifer ………., has the gumption
to take an axe to its divisions
 
lifer」―生え抜きということでしょうね。
gumption」―よい響きの言葉です。
ということで、締めくくりは

His vow to return Sony to a fat operating profit by 2016 looks ambitious, and is
promise he cannot afford to break.

ということで、難しそうであります。
そういえば、何年か前に古本屋で、ソニーの絶頂期(出井社長)に10人ぐらいの
社員にインタビューして発言をまとめた本を見つけて買いました。やっぱり元気の
よい時は皆威勢のよいことを言っていましたね。

2014年9月17日水曜日

「英語にハマりませんか?」No.114

めっきり秋らしくなり、仕事も忙しくないブログ日和(?)となりました。

読書は、以前に要約していた「All the President’s Men」を再開しました(ということは休んで
いたわけです)。

紙の本からiPad版に変えました。
とにかく人名、地名が多数出てきますが、何とか話の流れは把握しています。

もう1冊は、ユーモアとか、ミステリーがよいなと思っているのですが、候補を選考中です。

といったところで、

今回は、久々にWashington Postの記事を取り上げます。

Yet again, Atlantic City is in need of a comeback

と言うタイトルで、東のラスベガスとして繁栄を謳歌していたが最近ちらほら報道されている通りに
カジノが閉鎖され衰退している、というアトランティック・シティの話です。

というか、単なるカジノ・タウンの没落というよりももうちょっと複雑というか、興味深い記事に
なっています。

タイトルにある「Yet again ………..  a comeback」という表現がこの事情を象徴している。
つまり、復活が求められるという状況は初めてではないということです。

記事は、The Revelという24億ドルをかけたカジノが2週間前に閉鎖されたという報告から始まり
ます。アトランティック・シティーには現在12のカジノがあるが、そのうちの5か所が閉鎖される
ことになっており、少なくとも8,000人が職を失うという深刻な話です。

In short, the World’s Playground is in crisis

ところが、

For more than a century, Atlantic City has died and reinvented itself again and again,
experiencing a boom-blight-boom cycle like perhaps no other place in America

(過去1世紀以上にわたって、衰退と復興を繰り返しており、このような都市は国内では他に例を
見ない)ということだそうです。

そこで、どういうブームがあったのかを振り返るわけです。

最初は、

During Prohibition, the bet was moonshine
禁酒法の時代に酒の密造で儲けた - 市当局が法律を無視する賭けに出た)。

それと同時に「ミスアメリカ」コンテストの開催地として訪問客を集めます。それから、コンベンション
の主催地として名をはせます。

それでも他の都市が追随してきたことから、70年代の半ばに

Atlantic City convinced the state to legalize gambling …..

ということでカジノ時代の始まりです。

この決断を行った当時の市長は、その背景について、市としては、沖合の油田開発とか、
ニューヨーカーに嫌われていたコンコルド機の着陸誘致といった奇策、そして、王道とも言える
各種産業の誘致も試みたが、教育水準があまり高くなかったこともあって、

Rather than investing in longer-term growth strategies such as education, 
infrastructure or industrial diversification, Atlantic City has taken the roulette route 
……. involving some trade considered to distasteful ……….
(長期的な成長戦略よりも、敬遠されがちな活動を伴う「ルーレットの道」を選んだ)

というわけです。

ということで「head start」は切ったのですが、これまでの歴史の繰り返しで追随者が続々と現れ、
優位は失われているという状況です。市の巻き返し策は、ミスアメリカ・コンテストの開催権
(現在はラスベガス)を取り戻すといった小手先に留まっています。

今後はどうなるかということで、この記事が目を付けたのはマリファナの合法化です。

I haven’t yet heard pot legalization as a revitalization strategy for Atlantic City, but 
just wait.  Sooner or later, it might be in the cards.
(アトランティック・シティーが再活性策として採用したとは聞いていないが、近くそうなるかも
しれない)

なるほどね、カジノと比べるとちょっとスケールが小さい気がしますが。

2014年9月11日木曜日

「英語にハマりませんか?」No.113

また、ちょい(でもないか)ごぶさたしていました。

読書は続けているのですが(「The Facebook Effect」の2回目読了しました)、目に付く表現が
多すぎて迷うと言い訳しておきましょうか。

2回目読んでみて思うのは、覚えていない箇所が多いですね。

ということから言うと、私にとって本を複数回読むのは良いことのようです。分かるところだけを
かいつまんで1回だけ読むというのが読書の王道かなとは思いますが。

折角2回読んだので、「The Facebook Effect」ざっと(ものすごくざっとですよ)まとめてみましょう。

何と言っても、お互いのプロフィールを交換する場を設け、共通点をきっかけとして友達の輪を
広げていくという、誰でも思いつくサービスを世界的な企業に発展させたのは、創業者の
Zuckerbergの長期的なビジョンによるところが大きいでしょう。

そして、ハーバードから始まってアイビーリーグに会員を限定してエリート意識をくすぐり、それから
大学、高校、そして、一般へと会員を拡大していく過程で、理解ある(経営に口を出さない)出資者、
そして、Sandbergという優秀な幹部を得られたが本格的な発展の原動力となったわけです。

といったまとめで、大きくなる会社にはそれなりのストーリーと、大きな視野を持つ経営者が
付き物だなという、月並みな感想です。


これだけだとさみしいので、出てくる単語を多少紹介します。

Zuckerbergがどのような人物かを描写している表現を取り上げます。

Mark Zuckerberg was a short, slender, intense introvert ……」(かなり内向的か?)

He could be quiet around strangers, but that was deceiving. When he did speak, 
he was wry.  His tendency was to say nothing until others fully had their say.

初対面の人とあまり話さないのは私も似ています。でも、発言するときついことを言うということ
のようです。

His tendency」というのは面白い言い方です。

また、「irreverent」という表現も出てきます。不遜/尊大なということのようです。

聞くところでは、スティーブ・ジョブズも結構癖のある人だったようですから、何かを一から大きな
存在に育てていくには「eccentricity」が必要だということですかね(これは私の意見です)