2014年7月24日木曜日

「英語にハマりませんか?」No.110

今週は、WSJももうひとつ面白い記事が見つからず、
かといって夏の暑い時期にEconomistの小難しい論調も疲れるなということで、
たまには英語の勉強法について考えてみることにしました。

以前にも紹介しましたように、最近はiPadでの読書が気に入っており、もっぱらこれが
英語の勉強を兼ねています。

基本的には、3冊並行で読んでいます。

ひとつはエンターテイメントやミステリーのペーパーバック、二つ目がビジネスもの、
そして、日本語の小説です。

ペーパーバックでは「Devil Wears Prada」を読んでいましたが、先月終了し、現在は、
Greshamの「The Broker」というミステリーを読んでいます。ビジネス系では
The Facebook Effect」、日本語は、吉川英治の新書太閤記です。

iPadでの読書の素晴らしいのは、複数の本を1台に収めることができること、前回
読み終わった箇所をすぐ開けることができるということに加えて、ハイライトが付けられる
ですね。

紙の本でも分からない単語や興味深いフレーズには下線を引いているのですが、
iPadでは、赤い下線、ハイライト(5色)を使うことができるので、新しい単語には黄色の
ハイライト、ちょっと洒落たフレーズには緑色のハイライト、重要な事実や表現には下線と
使い分けています。もちろん、消去も簡単です。

新規の単語やフレーズをマーキングして、後で振り返ることができるようになったという点で
単語帳よりもずっと便利だし、復習もしやすいのですが、だからといって覚えがよくなるか
というとそれは別問題ですね。

たまに振り返って新しい単語の復習をしてみることもありますが、読書好きの私としては
先に進みたいですから。

まあ、英語の小説を読んでも感情移入できるし、細かいニュアンスもある程度分かります
から、中高年の趣味としてはなかなかよろしいかな、英語ができるようになっておいて
よかったなというところで満足しましょう。

特に、大胆な行動が不得手な私としては、悪者が跳梁跋扈する世界についての話は
何かわくわくします。今読んでいる「The Broker」はまさにぴったりです。

ということで、今回は英語の文例紹介は無しと思っていましたが、とりあえず1フレーズだけ
紹介します。

The Broker」での会話。

Are you a drinking man?

というものです。

酒好きかいということですが、ふと思い出すと「I am a coffee person」などという言い方が
ありましたね。

それでは、バハハーイ(ちょっと古いですが)!

2014年7月16日水曜日

「英語にハマりませんか?」No.109

いやー、久しぶりに本業が忙しくなり、ブログが先延ばしになってしまいました。

性格的にも、あるひとつの仕事に没頭してしまうというか、器用に複数の仕事を並行して
進めるというのが苦手なものですから

ということで、
今回はWSJの幼児教育についてのユルイ(かな?)レポートでお茶を濁します。

冒頭の見出しは、

A new research on how children learn moral behavior suggests that parents 
are better off using George Washington and the Cherry Tree as an example 
of a good behavior rather than Pinocchio as an example of a bad behavior.

better off … ing」-の方がうまくいく、...した方がよい

ということで、アメリカの子供向けの話としては、意外にもワシントンと桜の木が今でも
効果があるという研究結果が出たそうです。

そもそも、教訓を含んだ話(fables and fairy talesに道徳を教える効果があるかを
検証するために実施されたらしいですが、その結果、

There’s a certain kind of moral story more effective than others.

ということが判明しました!(それほど、驚くことはないか。)

In particular, the story of George Washington chopping a cherry tree was 
effective in getting kids to reduce lying behavior compared to the stories 
like Pinocchio and Boy Who Cried Wolf.
なんとワシントンの桜の木の方が嘘をつく行動を減少させるという点で、ピノキオや
狼少年よりも効果的である。)

この調査の対象年齢は3-7才ですが、

Kids respond much better to a positive effect of honesty than they are told 
about a negative consequence of lying.

ということで、正直が大事というポジティブなメッセージの方に強く反応したそうです。

さらに、
ワシントンの話についても、正直に告白したオリジナル版と、嘘をついて後でばれる
という変形バージョンの2つを聞かせたが、反応は同じく正直バージョンがよかった
とのことです(反応をどのように計測したかはレポートされていません)。

まあ、アメリカ人らしいなという話ですね。

2つの点で。

ひとつはポジティブ思考。
そして、実用的な心理学を好む傾向です。

アメリカの本屋に行くと(今でもそうでしょうね)、自己啓発に代表される心理学を
応用した、お悩み解決や成功指向の本がずらりと並んでいました。

私も2-3冊買って読んでみました。

どうですかね。信じる者は救われる、イワシの頭も信心から、といったところかな。

アメリカ人と話していると、ポジティブ・シンキングが根付いているなと感じさせられる
ことが多いですが、一方で、ポジティブ思考に馴染まない人も2-3割はいるという
の調査結果を聞いたことがあります。私もそのようです(というか、折角買って読んだ
ポジティブ思考の本、もうひとつ心に訴えるものがなかったのはその証拠でしょう)。

まあ、それもよいでしょうと、ポジティブに締めくくることにします。

2014年7月2日水曜日

「英語にハマりませんか?」No.108

今回もWSJPodcast版から、アメリカで出た重要な判決に関するものを取り上げます。

私は一応法学部の出身なものですから、ニュースを見聞きする時、どうしても契約あるいは
裁判といったテーマに惹かれます。

遠い昔の大学時代は多少真面目に勉強したので、ひょっとしたらと思って1回だけ司法試験を
受けました。

今もあるのかどうか、第一関門の短答式で落ちました。

何しろ各問題(全部で50問だったかな)について回答が5つ提示され、そこから正解を選ぶ
のですが、さらに「ゼロ回答」といって提示された答の中に正解が無い場合もある!

結論としては全然お呼びでないレベルでしたね。ちょうどこの頃、石川達三という小説家の
「青春の蹉跌」という、司法試験を目指す若者が殺人を犯すという本を読み、その中に
出てくる司法試験についての描写から興味を持ったというのも受験の動機のひとつでした。

ミーハーというか、我ながら軽薄だったなと思います。ということで、1回であきらめました!
(これが駄目か?)

それでも、
法律そして法律家に対する、何と言うか、ノスタルジックな憧れは続いており、翻訳の世界に
入っても、契約書とか、裁判記録というと妙に力が入るというか、楽しんできました(やっぱり
好きなのですよね)。

ハーバード大学ロースクールに入った学生を描いた映画「The Paper Chase」も繰り返し
見ました(Lindsay Wagnerきれいでしたね)。

と中年オヤジのとりとめのない回想はこれぐらいにして、本題に入りましょう。

WSJPodcast版から聞き取った内容をニューヨークタイムズの記事で補足する形で
お届けします。

先週、米国の連邦最高裁判所は、

the police generally must obtain a warrant before searching mobile devices 
after arresting someone
逮捕者の携帯電話を検査する場合には裁判所から令状をもらわないといけない)

という判決を出しました。

ニューヨークタイムズによれば、この判決は、毎年米国で逮捕されている1,200万人
(軽罪も含めてですが、こんなに捕まっているのだ!)に影響を与えることになる
bold opinion」であり、「the first computer-search case」だそうです。

争点となったのは、携帯電話が

fall under long-term exception to warrant requirements
(つまり、逮捕者の携帯品については捜査令状が要らない)、

かであり、これまで下級審の判断が分かれていたので最高裁が判断したということです。

結論としては、携帯電話はプライバシーの対象として保護されるので令状が必要ということ
ですが、最高裁の議論がなかなか面白い。

携帯電話とアドレスブックは同じようなもので、アドレスブックについては逮捕時に検査
できるのに、携帯電話でできないのはおかしいという警察の議論に対して、最高裁は

That is like saying a ride on horseback is materially indistinguishable from 
a flight to the moon
(馬に乗るのも、月に行くのも移動するという点では同じだと言うようなものだ)

と一蹴しています。

なるほどね。

携帯電話は単なるアドレスブックをはるかに超えた多くの機能を詰め込んだものである
ということだそうです。

この判決を出した判事はこういうたとえが好きなようで、最初の時点で携帯電話は
日常生活の中で欠かせないものになっているという説明で

Cellphones are such a pervasive and insistent part of daily life that the 
proverbial visitor from Mars might conclude they were an important feature 
of human anatomy

と論じています。

pervasive」-普及している

insistent」―際立ったというところですかね。

proverbial」-かの有名な、となっていますが、何かの小説に出てくる火星人
ということでしょうか。

なるほどというほどのたとえではありませんが、なかなか面白い。
日本の最高裁判所の判決ではあり得ないでしょうね。

そして、ある調査によれば、スマートフォンのユーザーの4人に3人が常に5フィート以内の
至近距離に置いており、また、12はシャワーの中でもスマートフォンを使っているという
トリビア情報も開陳しています。

ということで今回は終了!