今回もWSJのPodcast版から、 アメリカで出た重要な判決に関するものを取り上げます。
裁判といったテーマに惹かれます。
遠い昔の大学時代は多少真面目に勉強したので、 ひょっとしたらと思って1回だけ司法試験を
受けました。
のですが、さらに「ゼロ回答」 といって提示された答の中に正解が無い場合もある!
結論としては全然お呼びでないレベルでしたね。ちょうどこの頃、 石川達三という小説家の
「青春の蹉跌」という、 司法試験を目指す若者が殺人を犯すという本を読み、 その中に
出てくる司法試験についての描写から興味を持ったという のも受験の動機のひとつでした。
ミーハーというか、 我ながら軽薄だったなと思います。ということで、1回であきらめ ました!
(これが駄目か?)
それでも、
法律そして法律家に対する、何と言うか、 ノスタルジックな憧れは続いており、翻訳の世界に
入っても、 契約書とか、裁判記録というと妙に力が入るというか、 楽しんできました(やっぱり
好きなのですよね)。
ハーバード大学ロースクールに入った学生を描いた映画「The Paper Chase」も繰り返し
見ました(Lindsay Wagnerきれいでしたね)。
と中年オヤジのとりとめのない回想はこれぐらいにして、 本題に入りましょう。
WSJのPodcast版から聞き取った内 容をニューヨークタイムズの記事で補足する形で
お届けします。
先週、米国の連邦最高裁判所は、
「the police generally must obtain a warrant before searching mobile devices
after arresting someone」
( 逮捕者の携帯電話を検査する場合には裁判所から令状をもらわない といけない)
という判決を出しました。
ニューヨークタイムズによれば、この判決は、 毎年米国で逮捕されている1,200万人
(軽罪も含めてですが、 こんなに捕まっているのだ!)に影響を与えることになる
「bol d opinion」であり、「the first computer-search case」だそうです。
争点となったのは、携帯電話が
「fall under long-term exception to warrant requirements」
(つまり、 逮捕者の携帯品については捜査令状が要らない)、
かであり、 これまで下級審の判断が分かれていたので最高裁が判断したという ことです。
結論としては、 携帯電話はプライバシーの対象として保護されるので令状が必要と いうこと
ですが、最高裁の議論がなかなか面白い。
携帯電話とアドレスブックは同じようなもので、 アドレスブックについては逮捕時に検査
できるのに、 携帯電話でできないのはおかしいという警察の議論に対して、 最高裁は
「That is like saying a ride on horseback is materially indistinguishable from
a flight to the moon」
(馬に乗るのも、 月に行くのも移動するという点では同じだと言うようなものだ)
なるほどね。
ということだそうです。
この判決を出した判事はこういうたとえが好きなようで、 最初の時点で携帯電話は
日常生活の中で欠かせないものになってい るという説明で
「Cellphones are such a pervasive and insistent part of daily life that the
proverbial visitor from Mars might conclude they were an important feature
of human anatomy」
と論じています。
「pervasive」-普及している
「insistent」―際立ったというところですかね。
「proverbial」-かの有名な、となっていますが、 何かの小説に出てくる火星人
ということでしょうか。
なるほどというほどのたとえではありませんが、なかなか面白い。
そして、ある調査によれば、スマートフォンのユーザーの4人に3 人が常に5フィート以内の
至近距離に置いており、また、12% はシャワーの中でもスマートフォンを使っているという
トリビア情 報も開陳しています。
ということで今回は終了!
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