2015年2月27日金曜日

「英語にハマりませんか?」No.130

さあ、今回も「Onwardから興味深い単語をピックアップします。

iPadで本を読んでいて面白いのは、出てきた単語が同じ本の中、および、
ウェブ上でどのように、どれくらい使われているかを確認できることです。

これまで、分からない単語が出てきたらハイライトし、その意味を調べる、あるいは、
フレーズについてはメモという形でマークし、訳や用例を書き込んできました。

確かに後で振り返って見る場合に見つけやすいというメリットはあるのですが、
だからといって覚えられるというわけではありません。

1日に数十ページを読んでいますから、ハイライトする単語とフレーズはかなりの数に
上ります。それをいちいち繰り返してチェックしても、それぞれの単語がどのような
文脈で使われていたかという印象的な記憶が薄れてしまうのです。

一方で、面白い単語が出てきた時にハイライトしつつ、それが同じ本やその他の
ソースでどれくらい使われているかをチェックするのと、色々な用法を比較できる
という意味で印象により深く刻まれるのではと考えたわけです。

ということで、能書きはこれくらいにして、
実際に「Onward」で目に付いた単語を2-3見ていきましょう。


まず、「instill」です。

この単語は、考え方を徐々にしみ込ませる(浸透させる)という意味ですが、
Onward」の著者であるStarbucksの社長はこの言葉が好きなようです。

最初に出てきた表現は

「....instill confidence in our future

というフレーズです。

将来にわたって自信を植え付けるという感じですね。

なるほどねと思っていたら、その後もたびたび出てくるので、検索機能を使って
調べてみたら、この本の中で9回出ています。

やっぱり、気に入っているのですね。

他の用例としては、

…. leadership is about instilling confidence in others ….
(リーダーシップとは、人々に自信(信頼もありなのかな?)を植え付けること
である)、

… my role as ceo is to instill in the organization the same excitement about …. 
developing new products
CEOの役割は、新製品の開発について同じような「わくわく感」を組織内に浸透
させることにある)

などがあります。

言い換えれば、組織を動かすためのコミュニケーションでは、特定の言葉を
繰り返し使うことも効果的であるということになるかな。


もうひとつ「compelling」という言葉を紹介します。
Onward」では6回出てきます。


「否定しがたい(a compelling argument)」という意味もありますが、この本では、
注目せずにはいられない/思わず引き込まれる(a compelling smile)」
という意味で使われています。

The best beans with ………… compelling characters
抗しがたい特徴を備えた最高のコーヒー豆)

という表現が出てきます。

この言葉も、著者(社長)は好きなのでしょうね。

と、このようにあれこれ考えていると、2つの単語が私のボキャブラリーに
加わったかなと感じます。

といったところで、今回はこれまで。

2015年2月20日金曜日

「英語にハマりませんか?」No.129

さて、今回は、現在進行中の「Onward」です。

Starbucksの創業者が書いた本ですが、
大きな飛躍を遂げた後で自分が理想としていた起業時の精神が失われ、
業績も頭打ちになってきたという状況に直面して「ceo前号で紹介した
ように、Starbucksでは役職を全て小文字にしています。こういう点からも、
何かかなりのこだわりがあるなと言うのが想像できますね)復帰し、
回復させるという、いわば二度目の創業についての実録です。

松下電器(現在のパナソニック)の創業者だった松下幸之助氏が業績不振に
対して自ら営業部長代理(だったかな)となって立て直しを図ったという
話を思い出しました。

さらに、この本の中でも出てきますが、Dellの創業者も同じく後進に道を
譲ってから業績不振に直面して復帰しています。

この本は、意外な掘り出し物でした。

というのは、この人は表現が豊かなのですね。

e-bookの機能を活用しようと、印象に残る単語や表現にマークを付けている
のですが、次から次へと出てきて、取捨選択が大変です。

この社長のコミュニケーション能力が高いということもあるのでしょう。
実際、重要な会議などで話をする場合にも原稿は用意しないそうです。

同時に、世界的なチェーン店を育て、維持するには、社員、株主をはじめ
として多くのstakeholdersに訴えるビジョンやメッセージを、分かりやすく
伝えることが必要なのだなと感じました。

ということで、
たくさんある印象に残る表現の中から少し紹介したいと思います。

2章の初めに、起業家について、好きなことをやれることは素晴らしいが、

… the entrepreneurial journey is not for everyone

であると指摘して、

Yes, the highs are high and the rewards can be thrilling.  But the lows 
can break your heart……

という警告的な文章が出てきます。

「良い時は確かに良いけど、悪い時は心が折れるから」という感じですね。

こういう「entrepreneurial journey」(よい響きですね!)を受け入れ
られる覚悟を持つ必要があることを分かりやすい単語と表現でうまく説明
していると思います。

もうひとつ、

…. Coffee has captured my imagination because it is a beverage about 
individuals as well as community.

コーヒーは私の想像力を虜にしてきた。なぜなら、それは色々な地域と人が
関わる飲み物だからである。

ということで、
コーヒー農園から、焙煎工場、バリスタ(店舗でコーヒーを淹れる人)まで
数多くの人が関わっているというストーリー性を大事にしていることが強調
されています。

簡単な言葉を使って手短に表現しながら、何か含蓄があるなと感じるのは
私だけでしょうか?

2015年2月15日日曜日

「英語にハマりませんか?」No.128

いやー、だいぶ間が空いてしまいました。

スーパーボールもあっという間に終わり、9か月のシーズンオフが始まりました!

しかし、今年は面白かったです。
4クォーターの攻防、特にペイトリオッツの逆転ドライブとシーホークスの最後の
反撃、そして、思いがけない幕切れとエキサイティングなひと時でした。

と余韻に浸る暇も無く、おかげさまで仕事が入ってきて、ちょっと忙しく(ブログも
書く暇がないのかと聞かれるとそうでもないですが)、ごぶさたでした。

それでも、iPadでの読書は続いています。
Fool’s Gold」読み終えましたよ!

700ページ弱の大作。
いやー、なかなか難しかった。

サブプライム・ローンというリスクの高いローンとリスクの低いものを組み合わせ
証券化し、金融を拡大しつつ、リスクに対処するという考え方としてはよかったものの
(なにせ、数学その他の部門で優秀な人が考えたわけで)、いったん信用が無くなると、
サブプライム・ローンが混じっているかもしれないということで連鎖的な金融崩壊
至ったという、大ざっぱな流れは掴めましたが、細かいプロセスまではとても頭に入らず。

もう一度読もうかなという気はとりあえず起きず、次に進むことにしました。

Onward」という本です。
ファッション企業の話ではありません(ワハハ)。

地位を退いたStarbucksの創業者が、会社の危機に立ち向かうという話のようです。

序論の中で目に付いた表現を取り上げます。

In 2000, I stepped down as ceo (since Starbucks’ earliest days, we have 
lowercased all job titles)

stepped down from ceo」のような感じがしますが、「as」を使うようです。

lowercased」(小文字で表示)というのは面白い表現ですね。

リーマンショックと時を同じくして、2007年頃、スターバックスも業績が悪化して
いくわけですが、その頃に消費者の行動も大きく変わったのも大きな要因のひとつ
あるというくだりで次のような表現が出てきます。

…. A seismic shift in consumer behavior was under way, and people became 
not just most cost conscious, but also more environmentally awarehealth 
minded, and ethically driven.. Customers were holding the companies they did 
business with – including Starbucks – to higher standards

消費者の傾向や意識を表す表現として参考になるものが列記されています。
価格に敏感になっただけでなく、環境、健康、倫理についての意識も高まったという
感じですか。

最後の文章が面白い。

hold someone to ….」で何かを守らせる(hold 人 to his word =人に約束を
守らせる)という意味なので、より高い基準(環境とか、倫理とか)を守らせる、
あるいは、求めるという訳になります。

こういう表現は、覚えておくと使えると思います。

といったところで、今回はこれまで!