仕事の合間にエクササイズという感じで「Environment al Engineering」という専門書を
読んでいました。 前から資料として買っていた本の1冊です。
使われているもので、 素人にも分かりやすく書かれています。
600ページ以上ある割に は値段も比較的安い(20年ぐらい前で3,900円) と思います。
私自身は法律や地理といった文化系の人間で、 技術にはあまり明るくないのですが、
今のようにネットであらゆる分野についての情報が一瞬で分かる時 代とは異なり、私が
翻訳を始めたころは、前にも書きましたが、 分野別の用語辞典でエッチラオッチラ引く
というえらく手間のかか る時代でした。
私も最初はさまざまな用語辞典を買い込み、あるいは、 図書館に行って調べていていた
のですが、 アメリカ留学時代の経験から、 該当する分野の大学の教科書を買って読んだ
方が系統的な知識や表 現が得られるし、結局効率的ではと思い立ちました。
当時は、 日本の企業が海外生産を開始したころで、 現地の従業員に教えるための
資料作成のニーズが高まっていた時代 です。 各社が持っている日本語のマニュアルや
技術解説書をとりあえず英 語に訳して使おうということで、 製造手順から会計基準まで
さまざまな内容の文書をまるごと1冊翻 訳するという仕事が結構あったことも、 こういう
発想につながったのかと思います。
最初に英文の専門書が資料として役立ったのは忘れもしない「 非破壊検査」マニュアル
の翻訳です。
詳細は省きますが、X線とか 色々な方法で材料の強度を試験する、 生産には欠かせない
大事な検査です。 資料が無いかと洋書店に行ったところ、Mechanical Engineering
Handbookという分厚くて、お高い( 数万円したと思います)書籍に載っているのを
見つけました。
関するあらゆることが解説されており、 その頃よく仕事をもらっていた鉄道車両関係の
情報もあったので、 今後役に立つに違いないということで、 エイヤーと買っちゃいました!
結果としてこの購入は大正解で、 この本はその後色々な分野の翻訳の際、非常に役に
立ちました( 早く言えば元を取ったわけです)。
何せ、 ある技術について専門用語を使って懇切丁寧に解説されているので 、ちょっと
変えれば使える部分もあるし(一種のコピペですが)、 どういう風に説明していくかという
見本でもあるわけです。
書く(最初は、 お手本の文章を借りて) というアプローチでの翻訳にしたわけです。
ネットで一瞬に必要な情報を検索し、 一瞬で好きな箇所がいくらでもコピペできる時代に
なった今、 懐古的といえますが、古き良き時代だったなと思うと同時に、 多少手間が
かかっても自分の探している情報が見つかった時の喜び が何とも忘れられません。
ということで、
初老の翻訳者の回想録はこれぐらいにして、 肝心の「Environmental Engineering」
の中から、 使えそうな表現を抜き出して紹介したいと思います。
◆
まず、Introductionの冒頭からいきなり引用します。
「Environmental engineering has been defined as the branch of engineering
that is concerned with protecting the environment from the potentially deleterious
effects of human activity, protecting human populations from the effects of
adverse environmental factors, and improving environment quality for human
health and well-being.」
「has been defined」ということは、 これまで定義されてきたということですかね。
「concerned with …. ing」という構文は面白いですね。「concerned with名詞」と
理解しているので、動名詞句( そんな言葉は無いでしょうが)もありなのだなという
のは、 表現の幅が広がり、ちょっと使ってみたくなります。
「improving environment quality for human health and well-being」
- 健康と福祉のために環境の質を向上させるというのは紋切り型の表 現ですが、
もうひとつ行きましょう。
「An understanding of the nature of the environment and of human interaction
with it is a necessary prerequisite to understanding the work of the environmental
engineer.」
なるほどunderstandingに不定冠詞を付けるのか。うーむ、この辺、 何年英文と
付き合ってももうひとつ分からないというのが正直な感 想です。
「a necessary prerequisite」
-ちょっと「necessary」 が余分な気もしますが、 強調という意味ではこれでもよい
ということですね。「 大前提となる」という感じかな。
なんだか、私以外には興味を持つ人が少なそうな感じがするので( やっと気が付いた
かって!)この辺にしておきます。
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