The Washington Postの電子版の記事です。
前にも言いましたように、 やはりアメリカでは裁判の記事が興味深いですね。
こんな屁理屈あり?みたいな時があり、 興味が尽きません。
ロジックさえ通れば何を言ってもOKというこ となのでしょう。 日本人にはちょっと分かりにくい
結論になることもしばしばです( 日本人にとって、裁判というのは、常識というか、 良識に
基づいて当たり前の判断をするという感じですので)。
さて、今回の記事は、
「Muslim inmate takes his case for a beard to the Supreme Court」
ということで、 イスラム教徒の囚人が房内でひげを伸ばすことを認めろという訴訟 です。
これがどうして最高裁まで行くのか?
冒頭の一文は、
「It is not every day that a coalition of legal minds is rooting for a violent inmate
convicted of stabbing his girlfriend in the neck.」
「root for ….」というのは、根っこ等の意味ではなく、応援(声援)する。
珍しくも、 複数の弁護士が協力して囚人を応援しているというケースです。
現在最高裁で審理されているのは、 アーカンソー州で終身刑の判決を受けている被告から
の上告ですが 、問題となっているのは事件自体ではなく、
「lawyers …. arguing about what he wanted to do once he got there: grow a beard
in observance of his Muslim religious beliefs」
収監されている刑務所内でイスラム教の信仰に従ってひげを伸ばす ことを認めろ(という
ことは認めていない)という訴えです。
本人はほんの0.5インチぐらいの長さに伸ばしたいと求めている が、アーカンソー州政府は、
州政府によれば、この囚人は「violent self-declared fundamentalist」であり、 宗教的な
自由は尊重するが、 安全性の観点から間違いは許されないとのこと。
一方で、最高裁への上告には、 キリスト教関係の団体も支持を表明していますし、また、
それじゃ、 アーカンソー州がなんでまたこの囚人に対してひげを伸ばすことを 禁じている
のかを見てみると、
「a bearded prisoner could hide weapons, drugs or even cellphone SIM cards…」
という理由を挙げています。本当かね!
また、 もし囚人が逃亡した場合にひげを剃ってしまうと見つけにくくなる とか、収監中にひげの
長さをチェックするのに手間がかかるとか、 あまり切実とは思われない理由が挙げられて
います。
一方で、問題の囚人については、 同房の囚人にナイフを突きつけたり( ひげ以外の場所に
隠していたのでしょうね)、あるいは、 政府関係者を攻撃するといった発言をしており、 今回の
訴訟も刑務所の理容師との「戦争」だというわけです。 だんだん訳が分からなくなってきました。
一方で、アーカンソー州政府としては、 ひげを伸ばすこと以外のお祈りその他の宗教行為に
ついては認めて いるから十分ではないかとも反論しています。
どうも、私の感想としては被告有利という感じなのですが、 最高裁の判決は来年の春だそうです。
ということで、今回は以上!
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