2014年11月27日木曜日

「英語にハマりませんか?」No.121

いやー、寒くなりました。

アメリカは大寒波が来たようです。なにせ、ハワイ島も零下になったそうで、
地表は溶岩で熱いとにぎやか(気象の表現としては妙ですが)なことです。

さて、最近の読書状況ですが、電子書籍は「Fool’s Gold」を読み進めております。

デリバティブの金融商品がどのように開発され、普及してきたかという端緒の話です。

最初の章で、
クレジット・デリバティブ(企業のデフォルト(債務不履行)のリスクを取引する
金融派生商品の総称)がどのように生まれたかについて、

As with most intellectual breakthroughs, the exact origin of the concept 
of credit derivatives is hard to pinpoint

ということで、多くの知的な新発見(進歩)と同じく、これだという正確な起源を
名指しするのは難しい。

いずれにしても、

In the early 1980s, J.P. Morgan ………. had jumped into the newfangled 
derivatives field, and activity in the arcane business had exploded.

newfangled」新奇/最新の
arcane」不可思議な

なるほど、なかなか興味深い言葉を使います。

前にも言ったと思いますが、いわゆるビジネス書は、文学作品に比べて
ボキャブラリーがそれほど豊かではないという印象がありましたが(私だけかな)、
どっこい、後から後から新しい単語が出てきていつも勉強になります。

この本の冒頭では、J.P.モーガンが、若手のエリート社員をリゾート地に集めて
どんなデリバティブ商品を開発するかという会議を行うところが出てきます。

ところが、若手社員たちはすっかりお遊び気分、プール際でどんちゃん騒ぎ、
挙句の果てにリーダーの中堅社員をプールに突き落としてけがをさせてしまいます。

ここで興味を引いた表現は、

At some banks, dousing the boss would have been a firing offense.

です。

他の銀行であれば、解雇の対象となり得るということになります。
ここで「would」を使うのは大事ですね。あくまで主観的な意見ですから。

私はずっと前、会社に居た時に酔っ払って、先輩にお酒をかけた覚えがあります。

ちょっと怒られましたが、それほどおとがめなし。
何とかハラといった言葉が出てきていない、まだのんびりした、適当な時代でしたね。

2014年11月19日水曜日

「英語にハマりませんか?」No.120

今週は、長らく読んできた「All the President’s Men」(ニクソン大統領を辞任に
追い込んだウォーターゲート事件の報道をリードしたワシントンポスト紙の記者
2名が著したフィクション)がようやく終わりました。

iPad版の電子ブックで読んできました。
だいぶ前に1週間に読んだ部分の概略を述べ、気になる表現を紹介していたことも
あります。

基本は、記者2人とワシントンポスト紙がどのようにニュースソースからの断片的な
情報をつなぎ合わせて少しずつウォーターゲート事件の謎を解いていったかという
話ですので、パターン的には同じですが、まあ800ページに及ぶ本をよく読んだな
というのがとりあえずの感想です。

前にもご紹介しましたように、分からない単語にはハイライトをすると、辞書機能で
すぐ確認できますし、気になるフレーズには赤でアンダーラインを引きました。

これをどのように自分のボキャブラリーに加えていくかというのは依然として課題
なのですが、ちょっとした達成感にはなります。

ということで、目に付いた表現をひとつだけ紹介します。

最後の最後なのですが、ニクソンが大統領としての権威を失った大きな要因として、
彼が大統領執務室で自動的に録音されていた会話の中で、

he is heard talking almost endlessly about what would be good for him, 
his place in history and above all, his grudges, animosities, and schemes 
for revenge.

「彼(大統領)は、絶え間なく、自分にとって良いこと、歴史における自分の
位置、そして、憎悪、恨み、復讐の企みについて語っていた(語っているのが
聞かれた)。」

辞書的には、「grudge」も、「animosityも同じような意味ですから、
よっぽど根に持っていたということですね。

一方で、

The dog that never seems to bark is any discussion of what is good and 
necessary for the well-being of the nation.

The dog that never seems to bark」というのは辞書にあるかなと思ったら、
特に決まった言い方ではないようです。
彼の口から発せられることがなかったのは」といった感じですかね。

国の安泰のために何が良くて、何が必要かという議論が出ることはほとんど
なかったと。

ということで、

現在iPadでは、金融業界がどういう過程でリーマンショックに至ることに
なったかを分析した、約300ページの「Fool’s Gold」を読み始めています。

面白い単語やフレーズがあれば逐次紹介していきます。

ということで今回は以上!


◆◆おまけ◆◆
先日アメリカンフットボールの中継を見ていたら、「unnecessary roughness
という反則がコールされました。ボールを持っている選手がタックルされ、
プレーが停止した後にタックルその他の相手選手への攻撃をすることを言います。

しかし、「不必要なラフ行為」という表現は面白いですね。
ということは、プレー中は「necessary roughness」なのだ。
ちょっと不思議な表現です。

2014年11月6日木曜日

「英語にハマりませんか?」No.119

仕事の合間に、先週紹介しましたForeign Affairs誌のグローバルな安全保障において
欧州が果たすべき役割という、なかなかややこしいが、興味深い論文を分析しました。

今回は、1文ずつ訳し、解説も付けています。備忘録みたいなものですね。

ここで長々と引用すると著作権の問題もありますので、自分にとって目に付いた単語や
表現を紹介していきたいと思います


先週は「enabler」という単語を取り上げました。今回は「define」です。

What defines these threats is both their diversity and their unpredictability.

どうも「define」というと自動的に[定義する]になってしまうので、恥ずかしながら辞書で
チェックすると「顕著に特徴づける」という意味が。

ここで出てくる「these threats」というのは、大量破壊兵器の拡散やサイバーテロといった
emerging threats」のことを言っているですが、こうした新たな脅威を特徴づけている
のが(特徴となっているのが)多様性と予測不可能性というわけです。

これまでは「特徴づける」という英訳には、「characterize」とか、「distinguishを使って
いたのですが、「defineもボキャブラリーに加えたいと思います。


これだけではちとさみしいので、もうひとつ、この論文で使われている表現を紹介します。

著者は、欧州が経済危機も一因となって軍事支出を削減していると、上記の新しい脅威に
対応できなくなるとして、同じ軍事支出でより大きな効果を生む「smart defense」という
考え方を提案しています。

Europe should pursue a “smart defense” approach. Smart defense is 
about building security for less money by working together and being 
more flexible.  Smart defense also means encouraging multinational 
cooperation.」

欧州域内で協力して、また、柔軟に行動することで、支出を削減しても同じ安全保障は
構築できるという提案です。さらに、他の国/地域との協力もスマート・ディフェンスであると。

こう読んでくると、内容的にはそれほど斬新ではないのですが、
それにスマート・ディフェンスという名称を付けるところがうまいのかなと思います

smart learning」とか、「smart working」とか無いかと思って探してみたら、
前者は某英語教材会社の商品名、後者については「smart work」と
working smart」という表現が出てきました。

ということで、今回はスマートに終了します。