2015年3月30日月曜日

「英語にハマりませんか?」No.134

さー、桜の季節がまた来ました!

ぱっと咲いてさっと散る、毎年の光景ですが、はなやかでいて、落ち着いた
感じもあり、日本に生まれて良かったと思わされる季節です。

アメリカのNational Park Serviceというウェブサイトには、ワシントンの
ポトマック河畔で行われる「Cherry Blossom Festival」の由来に関連して、
次のように紹介されています。

The plantings of cherry trees originated in 1912 as a gift of friendship 
to the People of the United States from the People of Japan. In Japan, 
the flowering cherry tree, or "Sakura," is an exalted flowering plant. 
The beauty of the cherry blossom is a potent symbol equated with the 
evanescence of human life and epitomizes  the transformation 
of Japanese culture throughout the ages.

なかなかビューティフルな形容詞や動詞が出てきます。

exalted
賞賛されている - もうひとつピンときませんな、一段高い地位を与えられて
いるという感じかな。

symbol equated with the evanescence of human life
人生のはかなさの象徴―なるほど使ってみたい表現です。

epitomize」....の縮図[典型]である

ということですが、
これらの単語が私の読んだ本でどれくらい使われているのかを知りたく
なりました(私だけでしょうか?)。

これまでのブログで紹介してきた
All the President’s Men」、
Fool’s Gold」、
The Facebook Effect
という3冊(iPadで読了)を検索してみたところ、上の「e」で始まる3つの
単語のうちで、見つかったのは「epitomize」だけでした。
それも「Fool’s Gold」だけ!

ちょっとがっかり。
まあ、こういうこともあります。

見つかったのは、

The two groups barely communicated, epitomizing the in-fighting 
that still plagued the bank.

という一節です。

2つのグループの間にはほとんどコミュニケーションが無く、銀行内に
依然としてはびこる(「plagueというのは面白い動詞の選択です)対立の
縮図となっていた。対立を象徴するものだったという表現も良いのではないか
と思います。

といったところで、これから1週間ちょっと
symbol equated with the evanescence of human life
を楽しみたいと思います。

2015年3月20日金曜日

「英語にハマりませんか?」No.133

さて、急な仕事が無事終わりましたので、「Onwardで気になる単語に戻ります。

なんと「fear」です。

ポジティブ思考が基本であるStarbucks創業者/社長のボキャブラリーにあるのかね
と思ってしまいますが、意外や意外たくさん出てきます。

この言葉が気になったのは、創業者が社長の地位を退いた後に業績が低迷し、再建に
取り組むために「ceo」に復帰し、さまざまな改革に取り組む中で、

For the past few years, Starbucks had been acting out of fear, mainly a fear 
of failure….

という分析を読んだ時です。

なるほどね。
失敗を恐れて、それを避けるための対策を行ってきた。

さらなる成功を目指すという積極的な手を打ってこなかったという反省です。
会社だけでなく、個人でも陥りやすい状況かもしれませんね。

それでは本書の中でどれくらい使われているのかと調べてみました
せいぜい1-2回かなと思っていたら、何と26件見つかりました!

このネガティブな言葉をどうしてこんなにと見てみると、社員が陥りがちな問題
として「失敗を恐れること」があると考えていることもあるようですが、
もうひとつ分かりません。

あるいは、私が考えているほど「fearというのは特別なインパクトを狙っている
わけではなく、日常的になんとなく出てくる言葉なのかもしれません。

わざわざ取り上げた割には気の利いた理由が思い浮かばないのでこれくらいにして、
もうひとつ、「experienceを取り上げます。

この言葉に関心を持ったのは、

The Starbucks experience

という表現が出てくるからです。

単なるコーヒーを飲むというだけではなく、スターバックスという独特の時間や
空間を経験してもらうという経営哲学として使われているようです。

これ以外にも

the customer experience」、
the store (in-store) experience

という表現も出てきます。

ウェブで調べてみますと「カスタマー・エクスペリエンス」という言葉について
説明があります。

「......日本語では「顧客経験」「顧客経験価値」「感動体験」などと訳されますが、
......「カスタマー・エクスペリエンス」とは、商品やサービスの購入前後の
プロセスや利用時に顧客が体験する、「心地よさ」「驚き」「感動」「誇らしさ」
などの、感覚的だったり感情的だったりする付加価値のこと」

だそうです。

なるほど、付加価値ですか。

customer」と「experience」という普通名詞を組み合わせることで、こういう
ちょっとした解説を要する意味が出てくるというのも面白いですね。

といったところで、今回は以上です。

2015年3月13日金曜日

「英語にハマりませんか?」No.132

今週は、Starbucks創業者が書いた「Onwardでよく出てくる単語を紹介します。

まずは、「embrace」です。

よく見る言葉ですが、「Onward」の著者も例外ではなく、iPadの検索機能で
チェックしたら、なんと29件もヒットしました。

ものはついでと、以前に読了した「The Facebook Effect」(約750ページ)で
検索したら、16件見つかりました。

日本人はあまり使わないが、英語ネイティブにとっては馴染みのある言葉という
ことですね。これは覚える価値あり!

ということで、「Onwardでの使用例をいくつか挙げてみます。

Many customers …. embraced the warm breakfast sandwich, grateful for a 
tasty, more substantial food offering.

喜んで受け入れる/歓迎するという感じですね。

grateful」は「ありがたく思う」ですが、同じく「喜ぶ/歓迎する」という
ニュアンスでしょう。

We do not embrace the status quo and constantly push for reinvention.
(現状に甘んじることなく常に改善を進める)

「現状を受け入れる」ではちょっと弱いので、「甘んじる」がよいのでは。

she is an energetic, hard-charging, creative leader who embraces risk 
and bold thinking …..

hard-charging軍隊用語で積極勇猛果敢ということだそうです。
ここではリスクと大胆な思考を受け入れるですね。


と書いたところで、急な仕事が入ってきました!
続きは来週とします。

2015年3月6日金曜日

「英語にハマりませんか?」No.131

さあ、今回は、
Economist誌の巻頭記事「On-demand Economy」(13日号)を取り上げます。

タイトルは、

The on-demand economy
Workers on tap
The rise of the on-demand economy poses difficult questions for workers, 
companies and politicians

「オンデマンド・エコノミー
勤労者がいつでも需要に応じられる/需要に応じて働く
こうした新しい経済体制の出現は、労働者、企業、政治家のいずれにとっても
難しい問題を突きつけている」

ということですが、

そもそもオンデマンド・エコノミーとは何なのか。

日本ではまだ定訳が無いようですが、英語の定義を見ると、

The On-Demand Economy is defined as the economic activity created 
by technology companies that fulfill consumer demand via the 
immediate provisioning of goods and services.

とあります。

ここで出てくるtechnology companies」の意味を見ると、

A company that sells products involving sophisticated technology
(高度な技術を伴う製品を販売する企業)

とあります。

つまり、高度な技術を利用して物品やサービスを迅速に供給することで
消費者の需要を満たす経済活動ということのようです。

記事は、ヘンリーフォードによる自動車という大量消費時代の幕開けについての
振り返りから始まります。

「......Henry Ford combined moving assembly lines with mass labour 
to make building cars much cheaper and quicker—thus turning the automobile 
from a rich man’s toy into transport for the masses.

まあ、なかなかうまいまとめですね。
フォードの業績をわずか2ちょっとに凝縮しています。

そして現在、コンピュータとフリーランスの労働者を組み合わせて、従来富裕層が
専ら享受していた贅沢なサービスを提供するという時代に入っているという展開です。

Today a growing group of entrepreneurs is striving to do the same to services, 
bringing together computer power with freelance workers to supply luxuries 
that were once reserved for the wealthy.

運転サービス、食事の宅配から、弁護士やコンサルタントの派遣サービスまで
広がりつつあるということです。

こうしたオンデマンド・エコノミーは、まだ規模は小さいが、急速な成長を示している
ということです。

この動きを後押しする力は、技術(特にICT)の発達、そして、社会構造の変化であると。

特に後者について、
現代の社会は、金はあるが時間が無い人たちと、時間はあるが金を持たない人たちに
二分されつつあるとエコノミストは指摘している。オンデマンド・エコノミーは、
2つのグループの人たちを結び付けているという分析です。

こういう動きに対して、従来型の雇用形態で働いている人たち(たとえば、タクシーの
運転手)は反対の声を上げている。一方で、オンデマンド型サービスの提供者は、
資源の功利的な活用につながると反論している。

エコノミストでは、功罪半ばするという評価で、必要な時間だけサービスを受けられる
という意味で消費者にとってはメリットであるし、フレキシビリティーを重視する
労働者にとっては朗報だが、

workers who value security over flexibility, including a lot of middle-aged 
lawyers, doctors and taxi drivers, feel justifiably threatened
(安定を求める勤労者――ベテランの弁護士、医師、運転手など――は、当然のこと
ながら脅威に感じる)。

ということで、

オンデマンド・エコノミーという世界で生き残っていくには、複数のスキルを身に
付け、その向上を怠らないことが求められるという結論です。

そして、

if they are really ambitious, turning themselves into brandsIn a more fluid world
everybody will need to learn how to manage You Inc.
(本格的な野心があるのであれば、自分自身をブランド化することが求められる
流動化が進む世界では、誰もが「You Inc.」をどのように運営していくかを学ぶ必要が
ある。)」

ということだそうです。

ということで、ブランド化がんばりますか?