2015年3月6日金曜日

「英語にハマりませんか?」No.131

さあ、今回は、
Economist誌の巻頭記事「On-demand Economy」(13日号)を取り上げます。

タイトルは、

The on-demand economy
Workers on tap
The rise of the on-demand economy poses difficult questions for workers, 
companies and politicians

「オンデマンド・エコノミー
勤労者がいつでも需要に応じられる/需要に応じて働く
こうした新しい経済体制の出現は、労働者、企業、政治家のいずれにとっても
難しい問題を突きつけている」

ということですが、

そもそもオンデマンド・エコノミーとは何なのか。

日本ではまだ定訳が無いようですが、英語の定義を見ると、

The On-Demand Economy is defined as the economic activity created 
by technology companies that fulfill consumer demand via the 
immediate provisioning of goods and services.

とあります。

ここで出てくるtechnology companies」の意味を見ると、

A company that sells products involving sophisticated technology
(高度な技術を伴う製品を販売する企業)

とあります。

つまり、高度な技術を利用して物品やサービスを迅速に供給することで
消費者の需要を満たす経済活動ということのようです。

記事は、ヘンリーフォードによる自動車という大量消費時代の幕開けについての
振り返りから始まります。

「......Henry Ford combined moving assembly lines with mass labour 
to make building cars much cheaper and quicker—thus turning the automobile 
from a rich man’s toy into transport for the masses.

まあ、なかなかうまいまとめですね。
フォードの業績をわずか2ちょっとに凝縮しています。

そして現在、コンピュータとフリーランスの労働者を組み合わせて、従来富裕層が
専ら享受していた贅沢なサービスを提供するという時代に入っているという展開です。

Today a growing group of entrepreneurs is striving to do the same to services, 
bringing together computer power with freelance workers to supply luxuries 
that were once reserved for the wealthy.

運転サービス、食事の宅配から、弁護士やコンサルタントの派遣サービスまで
広がりつつあるということです。

こうしたオンデマンド・エコノミーは、まだ規模は小さいが、急速な成長を示している
ということです。

この動きを後押しする力は、技術(特にICT)の発達、そして、社会構造の変化であると。

特に後者について、
現代の社会は、金はあるが時間が無い人たちと、時間はあるが金を持たない人たちに
二分されつつあるとエコノミストは指摘している。オンデマンド・エコノミーは、
2つのグループの人たちを結び付けているという分析です。

こういう動きに対して、従来型の雇用形態で働いている人たち(たとえば、タクシーの
運転手)は反対の声を上げている。一方で、オンデマンド型サービスの提供者は、
資源の功利的な活用につながると反論している。

エコノミストでは、功罪半ばするという評価で、必要な時間だけサービスを受けられる
という意味で消費者にとってはメリットであるし、フレキシビリティーを重視する
労働者にとっては朗報だが、

workers who value security over flexibility, including a lot of middle-aged 
lawyers, doctors and taxi drivers, feel justifiably threatened
(安定を求める勤労者――ベテランの弁護士、医師、運転手など――は、当然のこと
ながら脅威に感じる)。

ということで、

オンデマンド・エコノミーという世界で生き残っていくには、複数のスキルを身に
付け、その向上を怠らないことが求められるという結論です。

そして、

if they are really ambitious, turning themselves into brandsIn a more fluid world
everybody will need to learn how to manage You Inc.
(本格的な野心があるのであれば、自分自身をブランド化することが求められる
流動化が進む世界では、誰もが「You Inc.」をどのように運営していくかを学ぶ必要が
ある。)」

ということだそうです。

ということで、ブランド化がんばりますか?

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