2013年4月18日木曜日

「英語にハマりませんか?」No.26

今回は、以前に紹介した「1-2センテンスをパッと見て、キーボード入力」という練習法の教材
使っています「Foreign Affairs」の「Does Obama Have a Grand Strategy」という論文で
面白い表現を発見しました(この論文自体は、アメリカには戦略があるのかという疑問に
ついて、あーでもない、こうでもないと論じており、安全保障方面で興味のある方には有益かも
しれません)。

この論文の趣旨としては、Grand Strategyというものは、それが明確に示されたからといって
好ましい結果を生むとは限らない(例としては、ブッシュ政権における「democracy promotion
で、アフガンとイランで戦争を起こし、アメリカの国際的な信頼を失墜させるとマイナスの効果)。

一方で、今のような不確実な時代にはあった方がアメリカの方向を他国に示して安心させると
いう意味でも好ましいという論旨なのであります

論文の後半で、オバマ大統領の国家安全アドバイザー補の発言として、オバマ政権の戦略
ビジョンについて次のように説明しています。

If you were to boil it all down to a bumper sticker, its Wind down these two wars,
reestablish American standing and leadership in the world, and focus on a broader set
of priorities, from Asia and the global economy to a nuclear-nonproliferation regime.

Boil down to a bumper sticker」という表現が面白いですね。

車のバンパーに張るメッセージという感じで、ひとことで言ってしまえばということなのですが、
でも、これ長くない? とてもBumper stickerに収まるとは思えません。

という突っ込みはおいといて、この表現は会議かなにかで使えそうですね。(なぜ「were to
なのかよく分かりませんが、直接引用ですので実際の発言ということでしょう)。

また、「focus on」はよく出てきますね。私もよく使わせてもらっています。インパクトはだいぶ
弱くなってきていますが(七味唐辛子みたいなもので、昔ほど辛くありません)。

さらに、この次の文章もちょいひねった表現が目を引きます。

Obamas first grand strategy, as explained in various speeches and administration initiatives
in his first year, was to make lemons out of lemonade.

最初に読んだ時にはすぐ気が付かなくて、インターネットで「make lemons out of lemonade」を
調べたら、「make lemonade out of lemons」が出てきました。こっちの方が当然ロジカルですね。

すっぱいものから甘口の飲み物を作るということで、「事態を良い方向に持っていく」という意味
らしいですが。ここでは反対に並べてあるので、当然反対の意味になるということですかね。
「事態を悪い方向(というかややこしい方向)に持っていく」といった感じですかね。

この後、2-3パラグラフぐらい読んでいくと、「Multipolar World(多極世界)」を「Multipartner
World」(みんなパートナー)に変えていこうという、オバマの呼びかけで、ロシア、中国に
接近したが、向こうはアメリカのことをパートナーとは思っていない、また、既存の友好国も、
これまでアメリカの担ってきた「Global public goods(軍事力や国際援助ということでしょう)
提供する負担を自分たちに肩代わりさせようとしているのではという疑念を抱く結果となって
しまったということで、あーあなるほどSourになったねと分かる次第です。

このレトリックは読者を飽きさせない文章を書くという意味で参考になりますね。

ちなみに、lemon」には「欠陥車」という意味もあります。

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