2013年4月22日月曜日

「英語にハマりませんか?」No.27

Foreign Affairs」掲載の「Obamas Grand Strategy」の続きです。

この論文はほぼ終わりまで読み進んでいるのですが、またまたひねった表現が出てきたので
紹介します。

留学や仕事で英文を読む場合、じっくりひたっている余裕がないのですが、よくよく読むと
色々な仕掛けが施されていることが分かります。時間のある時はこういう精読もよいと思います。

p.66の「As a set of ideas, Obamas new grand strategy holds together in most parts of the globe」で始まるパラグラフです。

そもそも「hold together」というのがちょっと分かりにくい。辞書では「まとまっている」という意味
ですが、コンテクスト的には「支持されている」という感じです。面白いのは、この後です。

オバマの新しいGrand Strategyが友好国にも安心感を与え、ライバル国にもあなどれないもの
として理解されていると評価した上で、「But the administrations embrace of democratic
ideals has not gone down as well in Saudi Arabia or Israel; those countries prefer the devils
they know ........」と続きます。

この「embrace」というのは、「commitmentとかと同様に、ちょっとぴんと来ない言葉ですよね。

こういう言葉は、色々な文脈で使われているのを繰り返し読むことで感じを掴むのが一番だと
思います(たとえば、敗戦後の日本について書かれた本のタイトル「Embracing Defeat
by John W. Dower)」)。

この文脈では、「アメリカによる民主主義的な理想への信奉(ちょっと固いか)は、サウジや
イスラエルでは受け入れられていない。なぜなら、両国とも、「正体のわかっている災いを
好む(リーダーズ+プラスより)から」ということになりますが、もうひとつ分かりません!

ようするに、民主化を求める声が広がっている中東で王政を続けるサウジアラビアと、入植地
問題などでパレスチナとの対立を続けるイスラエルは、共にそうした姿勢がトラブルの元に
なっていることは分かっていても、まあ、ある意味「慣れた」トラブルだからよしとする―

逆に、民主化とか、パレスチナに歩み寄った和解という道を選択することによって発生するで
あろう、新しい災い((多分あるでしょう)よりもましである――という、ちょっとひねくれた考え
ではあります。

これは中東の話だからぴんとこない人が多いかもしれませんが、北朝鮮の敵対的な態度や
行動にも当てはまるかなと思いました。「North Korea prefers the devils they know」ということ。

一方で、ミャンマーは今のところ逆方向に行っています(make lemonade out of lemons)。

まあ、慣れない分析はこのへんにしておきましょう。

最後に、銃規制法案の上院否決を伝えるニュースで使われた表現を紹介します。

The gun control (background check) law was scuttled. Obama said that the legislation
failure was mainly due to fear mongering(!)」

色々ありますな。

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