2013年11月26日火曜日

「英語にハマりませんか?」NO.78

今回は、エコノミスト11/16号からです。

巻頭の記事は、

The recorded world
Every step you take
As cameras become ubiquitous and able to identify people, more safeguards on privacy 
will be needed

ということで、
あちこちに監視カメラが設置されている環境に対して、やりすぎなんじゃないのという警告です。

プライバシー侵害の批判は、カメラが普及し始めた1890年代の夏のビーチから聞かれたという
書き出しです。

これいこうかと思ったけど、結論の割に途中がややこしいのと、もうちょっと興味深い――しかも
短い!――記事が2本見つかったのでそちらにします。どちらもアメリカです。


最初は

Criminal justice
American oubliette
Life without parole is an outrageous sentence for non-violent criminals

という犯罪と刑罰の関係です。

oubliette」-地下牢ということだそうです。

いわゆる「3ストライク」法(ここでは4ストライクとなっていますが)というのは聞いたことが
ありますが、軽い罪でも何回も犯す常習者(recidivistに対しては、

mandatory tough sentences」(重い判決を出すことを義務づける)法律がアメリカの一部の
州で運用されており、その結果、記事冒頭に出てくる例では、コソ泥が

sentenced to life imprisonment with no chance of parole

ということで、仮釈放の無い無期刑に処せられているそうです。

こういう判決を受けている囚人が何人くらいいるのか正確なデータはないようですが、
ある組織の調査では3,000人を超えているとのこと。

凶悪な殺人犯等は別にしても、エコノミスト誌は

There is no way to justify oubliettes for shoplifters

と批判します。

mandatory-sentencing laws」の対象となっている犯罪者の8割近くは薬物関係ですが
大部分は少量を所持していた程度のいわば中毒者です。

こういう不当な重罪に服するのは貧しく、ちゃんとした弁護士を雇えない人がほとんど。

applying such draconianhope-crushing sentences to non-violent offenders ….  is 
cruel and pointless」(2つなかなか興味深い単語が並んでいます

ということで、エコノミストの提言は、

Congress and state legislatures should scrap mandatory sentencing and let judges judge

例の「electronic ankle tags」という監視装置もコストが安くなっているし、犯罪人を閉じ込めるの
ではなく、社会で自力更生させる方向に方針転換すべきだと結んでいます。


次もアメリカで、

Biking without a helmet
No brainer
Feel the wind in your hair; bill the taxpayer for your injuries

no brainer」というのは、思考を要しないーー>考えるまでもないということです。

3行目は「風に髪をたなびかせ、その結果怪我した場合は納税者に払わせろ」です。

冒頭でネブラスカ州の病院は、頭にけがを負ったバイク乗りが運ばれてくると、州外の人間だと
分かる、なぜなら、同州ではヘルメットの着用を義務づけているが、周りのアイオワ等3州では
そうではないから。

それでも、全米で10州以上がヘルメットの着用義務を法律で規定している。

一方で、自由論者(libertarian)達は、「Let those who ride decide」として法律廃止を主張
しているようです(反対者は「Let those who pay have a say」と反論)。実際、今年11の州で
義務廃止法案が提出されています(全て否決されたそうです)。

データ的に言うと、ヘルメット着用を義務づけた法律を廃止した州(10州以上)では、ヘルメットの
使用が減り、事故による死亡や頭部負傷が増えているようです。

それでも、

Helmet-haters claim that increased deaths merely reflect a jump in miles ridden 
after laws are repealed ……
(着用義務が無くなり、みんな喜んでバイクに乗る距離が増えたからという変な理屈ですが
現実のデータは走行マイルあたりの死亡者数は義務廃止後増加している)

Helmet-haters」というのは面白いですね。色々なものに使えそう。

最後に、ネブラスカ州の州議会議員(着用義務廃止に賛成)の言として、

It is silly to ride a motorcycle without a helmet on the highway. But government 
shouldn’t tell people what to do

といかにも自由を重んじるアメリカらしい意見が紹介されています

これに対して、エコノミストは

How about taxpayers?

と結んでいます。

以上、紹介した2件の記事は、アメリカらしいと言えばアメリカらしいですね。

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