あっというまに年末です。
28日からちょっと海外に行ってきます ので、今回のブログが今年最終となるか、もう1回
といった予定で す。
今回は、All the President’s Menです。
ニクソン陣営による選挙妨害活動について詳細を報告する原稿がで きあがります。
最初の2-3パラグラフについて、 ポスト紙内部では
「sweeping statements about massive political espionage and sabotage directed
by the White House as part of a basic re-election strategy were essentially
interpretive and risky」
(つまり、ホワイトハウスが指揮した大規模な諜報・ 妨害活動について包括的に(sweeping)
説明してあるが、 さまざまな解釈の余地があり(interpretative)、 リスクを伴う)、
と評価する一方で、このパラグラフについて、
Segrettiの行った活動を読む限り、 そういう誤魔化しは効かないだろうと判断し、
こうしてできた記事の見出しは
「FBI Finds Nixon Aides/Sabotaged Democrats」
で、午後7時に配信されると、 ニューヨークタイムズでは素早く反応し、Segrettiから
妨 害活動に加わらないかと誘われた3人の弁護士( 名前覚えていますか?Shipleyその他
に取材し、事実を確認して、ポスト紙の記事の要約と共に深夜版に載せます。
これを受けて、翌朝のホワイトハウスでは、
ジーグラー報道官は、 記者達から29回もポストの記事についての質問を受け、 そのたびに、この
問題についてはニクソン再生委員会が「appr opriately responded」(何かよく分かりませんね)
しており、 ホワイトハウスとしては付け加えることは特に無いという答弁を繰 り返します。
一方、ポスト紙では、編集主幹のBradleeがWoodwar dとBernsteinを食事に誘います。
(Bernsteinは不在のため食事に行かなかった。)
「You’d better bring me up to date because …. Our cocks are on the chopping block
now and I just want to know a little more about this」
と切り出します。
(そんなこと言っても、 あんたが承認して記事にしたのでしょと突っ込みたくなりますが。
Bradleeとしては、編集幹部から報告は聞いているが、 直接記者から情報源等について細かい
情報を聞いて、 きちんと裏付けをとりながら記事を書いていることを再確認したか ったようです。
その結果、
「The line was drawn at a point which satisfied Bradlee’s reportorial instincts and
responsibilities as an editor, as well as Bernstein’s and Woodward’s promises
of anonymity to their sources」
(こういう意思確認は大事ですね)
さて、第2弾として、Woodward達は、ホワイトハウスとS egrettiのつながり、そして、
「dirty tricks that plagued the Muskie campaign」
について書こうと考えていますが、 なかなかまとまらない。
翌日の記事は、ホワイトハウスの反応(というか無反応)と、 ニクソン大統領自らの回答を
求めるマスキー上院議員についての2 本が予定されています。
マスキー議員は、 司法省以外の人員で行う公式調査を要求しています。
しかしながら、どちらの記事もインパクトが弱い(Neither story generated much enthusiasm)。
そして、編集幹部は、
「the lack of a strong follow-up could be interpreted as pulling back on the part of
the Post」(確かにね)と懸念し、Woodwardに対して「k eep trolling for a story」と指示する。
翌日の記事について話し合った日の夕方、
McGovern候補の 選挙陣営の幹部Mankiewicz(発音しにくい名前!)(「 crafty professional」
だそうです。悪賢いという意味もありますが、「選挙活動に長けたベテラン」 ということでしょう)
から電話が入り、 自分たちの陣営も様々な妨害活動を受けたと告発してきます
(「a cts of alleged sabotage …… so well engineered that they must have come
from the Republicans」(共和党のやりそうな、 周到に準備された妨害))。
McGovern陣営の幹部を名乗る という悪質のものから、「harassing phone calls」まで多岐に
わたったとのことです(中で面白いのは、 Mankiewiczを装って(impersonated)、C BSで
一世を風靡したアンカーマンのウォーター・ クロンカイトに電話し、McGovern側に有利な報道を
してほしいと持ちかけたというものです 。
クロンカイトは、後で、「the guy was definitely not just a crank. It was a very good
imitation.」とコメントしています(2人は旧知の間柄 ということですね)
「crank」-奇人/変人とありますが、 単なるいたずらではないということでしょう。
ポスト紙の担当編集者はこの告発を記事にしようと言いますが、W oodwardは、確たる証拠が
無いと反対します。
「He was concerned that readers might justifiably conclude that the McGovern campaign
was jumping onto a sabotage bandwagon.」
(読者は、McGovern陣営は、 妨害活動の記事が出たことで自分達もその波に乗って注目を
集めよ うとしていると考えてしまうかもしれない)。
それでも押し切られ、Woodwardは記事を書きます( 但し、Mankiewiczからは確たる証拠を
提供されていない と注記します)。
見出しは「Democrats Step Up Sabotage Charges」です。
一方、Bernsteinは、友人の葬儀のために1日休んでいた が、戻ってくると、上記のような進展に
非常にくやしがる(dou bly chagrined)。
彼としては、 マスキー候補に対する妨害工作の最終確認がもうすぐできる状態に あったからです。
マスキー陣営の職員1人1人に電話取材をして、 さまざまな妨害活動を受けていたという証言を
得ていたのです。
「their campaigns have been repeatedly victimized by unexplained accidents that
seemed as if they could only be the results of an organized effort」
(なかなか面白い表現です。「unexplain ed accidents」-偶然とは思えない出来事、
という訳でどうでしょう) 。
書類の紛失から始まって、 マスキー陣営を騙った支持者への迷惑電話、そして、
Canuck Letterまで。
同時に、マスキー陣営関係者の多くは、自分達が候補者の動揺(v acillation on the issues)、
そして、不手際(ineptitude)( インタビューで泣いたこと?)によって自滅した(self- destructed)
と考えている。
一方、Woodwardは、ポストの他の記者から、 マスキー候補が選挙期間中に自分の家族が
尾行されているとして法 的なアドバイスを求めていたという情報を得ます。
それを受けて、Bernsteinはマスキー議員に1時間ほどイ ンタビューします。
マスキー議員は問わず語りに(with no prodding)、自分としては
「systematic campaign of sabotage」
(「…. Because that’s nature of this administration; they have no sensitivity to privacy
or decency in politics....」)
マスキー議員は、自分の陣営が受けた妨害活動について語り、 自分自身も尾行されていた
と言ったのに対し、 家族も尾行されていたのかとBernsteinが聞くと、
「Wh atever happened with members of my family is private」
と歯切れの悪い答。
そこで、 誰かがマスキー候補の子供についてネガティブな情報(「like whether they smoked
dope」)を探っていたのかと突っ込むと、「I’m just not going to talk about it」と素っ気ない。
なるほど、図星ということですか。
ということで、今回はこれまで。
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