今週も「Onward」から。
この本もそろそろ終わりです。
なかなか面白かったです。
コーヒーというビジネスにのめり込んだ人の思いの深さを感じましたし 、以前にも
書きましたが、 物事の成功の秘訣は細かい点での努力の積み重ねだなという思いを
コーヒー自体の味の追求だけでなく、新しい商品の開発( なんとインスタントも
作り出します!)、店のデザイン、 食事の工夫、等々。あらゆる点で改革を進める
ことで、 不況期を乗り切ったということです。
考えてみると、 私も翻訳という地味な仕事がここまで続けてこられたのは、 日々の
研鑽、さまざまな資料の収集( 今はインターネットで不要になりましたが)、
と、Starbucksという有名企業の経営者の本に事寄せて、 私も色々努力してきたよ
という自己宣伝をちょっとしたところで、 「Onward」で目に付いた単語の紹介です。
今回は「silver bullet」です。
問題解決の特効薬、魔法の解決策という意味ですが、この本では9 回も出てきます。
ちなみにこれまでに読了したビジネス書2-3冊を検索しましたが 見つかりませんので、
やっぱり著者はこの言葉が好きなのですね。
意味的にはポジティブなのですが、この本の中では
「there was no silver bullet」
といった感じで、 戒めるニュアンスで使われています。
例文を挙げますと、
「...In my head I knew that no silver bullet would transform Starbucks
overnight….」
とあります。
頭の中では、 スターバックスを一夜にして変革する魔法のような解決策が無いこ とは
分かっていたということですね。
但し、この本の初めの頃――創業者である著者が、 スターバックス業績悪化を受けて
「ceo」( この会社では大文字にしません)に復帰した時――には、著者も
「 silver bullet」を探していたようです。
新しい商品の開発に取り組んだり、社員全員の研修――全店を1日 閉めて――を行ったり。
それでも容易に業績が回復しないというプロセスを経て、 こういう結論にたどり着いた
ようです。
確かに、私も問題に直面すると、 魔法の解決策が無いかなと願ってしまう傾向がある
ような気がしま す。
色々試してみるのがよいよということですな。
それから、全社員がそれぞれに工夫し、 チャレンジするのが会社の業績につながる
ということを訴えること で、特定の人間や部門をスター扱いにしないで、 誰でも
それなりに貢献しているというメッセージを送っている点も うまいなと思います。
ということで、今回は終了、オンワードしたいと思います。
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