2015年6月25日木曜日

「英語にハマりませんか?」No.144

さあ、Titanはだいぶ終わりに近づきました。

ルーズベルト大統領とロックフェラーの間では、トラストの是非をめぐって
激しい法廷闘争があったようです。

一方で、金融危機に際して、ロックフェラーは潤沢な資金を供給し、
モルガンスタンレーを初めとする金融機関を救ったということです

ただ「Greedy」なだけではないという点は、日本の近代資本主義を支えた
人たちと同じようですね。

ところで、
Titanの前の方をちょっとだけ振り返ります。
石油時代の幕開けのところです。

Long before oil was struck in western Pennsylvania by Colonel Edwin 
Drake, it had oozed from subterranean springs into Oil Creek ………., 
mantling the surface with an iridescent scum.

「ドレーク氏による開発のずっと前から湧き出しており、虹色に輝く泡が
表面を覆っていた」ということです。

そして、ガソリンについては、

Before the automobile, nobody knew what to do with the light fraction 
of crude oil known as gasoline …. Many refiners, under cover of dark, 
let this waste product run into the river.

だったそうです。

今となっては貴重な、我々の文明を支えるガソリンですが、自動車の時代が
到来するまでは厄介者扱いで夜陰に乗じて川に捨てられていたというから
分からないものです。

資源が何時枯渇するのではという懸念の中で、ロックフェラーは

saw petroleum as the basis of an enduring economic revolution

だったようです。

山師たちが暗躍する中を、ロックフェラーは石油の流通から入って巨万の富を
築いていくわけです。

その過程で、原油の輸送も馬による樽(バレル)、鉄道のタンク車、
パイプラインと進化していくわけです。

といったところで、仕事も入っているのでこの辺で!

2015年6月19日金曜日

「英語にハマりませんか?」No.143

今回は、Foreign Affairs

The Impact of Globalization on Income and Employment
グローバリゼーションが所得と雇用に与える影響)

という論文の続きです。

GDPがどのように算定されるかという基本的な考え方を解説している部分があります
ので、パラグラフひとつまるごと紹介したいと思います。

まず、

One way to measure the size of a company, industry, or economy is to determine 
its output.

という文章から始まります。 

「企業、産業、経済の規模を測定するひとつの方法としては、その生産高を算定すること
である」というわけです。

続いて、

But a better way is to determine its added value – namely, the difference between 
the value of its outputs, that is, the goods and services it produces, and the costs 
of its inputs, such as the raw materials and energy it consumes......

「しかし、さらに良い方法は、付加価値――つまり、生産高の価値、言い換えれば生産
する商品やサービスの価値と、投入量――消費する原材料とエネルギー--の価値の差を
算定することである。」

補足情報として、

Goods and services themselves are often purchased as intermediate inputs by 
other companies or industries, legal services purchased by a corporation 
being one example.

「商品とサービス自体は、他の企業や産業による中間投入財として購入されることが
多い。企業の利用する法務サービスはその一例である。」

法務サービスが代表的な例かどうかは分かりませんが、「being one example」と
いうのはかっこよい言い方ですね。

そして、まとめに行きます。

The value added produced by all the industries in all the sectors of an economy 
adds up to that country’s GDP.」 

ある経済の全ての部門の全ての産業が生み出す付加価値を合計すると国のGDP
なる。」ということです。

2015年6月11日木曜日

「英語にハマりませんか?」No.142

さあ、「Titan」に戻ります。

既に1,600ページ近く読了しています。
ロックフェラーの家族がどのような人生を送ったかとか、ロックフェラーの意外な
趣味とかちらほら面白いところもあります

かなり戻ることになるのですが、折角アンダーラインを引いて印象深い表現や単語を
マークしているので、紹介していきます。

敬虔なバプテストであるロックフェラーは、高校を卒業して就職活動をします。

商品取引の会社に就職。ちょうど人手が足りないから働いてくれと3か月無給で修業
することになりますが、この仕事がとても気に入ります。

どういう風に気に入ったかというと、

One is tempted to say that his real life began on that day, that he was 
born again in business……….
(彼の本当の人生はこの日(就職した日)に始まったと言ってもよいほど、仕事で
生まれ変わった。)

born again」宗教的な表現ですが、ビジネスという世界に入って、全く新しい
自分を発見したということですか。天職を得たという意訳もありかもしれません。

ロックフェラーがどれほど仕事を気に入ったかについては次のような下りもあります。

This mercantile world never struck him as arid or boring but “was delightful 
to me – all the method and system of the office.  Work enchanted him, work 
liberated him, work supplied him with a new identify.

(彼はこの商業という世界を無味乾燥とか、退屈とか感じることは全くなかった。
それどころか、オフィスでの全ての手順やシステムがとても楽しかった。
仕事は彼を魅了し、開放し、新しいアイデンティティ(存在感)を与えた)

なるほどね。

自分に合ったものに出会うと人間こういう感じになるのでしょうね

そういう意味では、自分の好きなことをやるのは大事ですよね。また、自分の
好きなこと、得意なことを仕事にできるのは幸せですよね(私もそうです!)。

それから、何かに対する才能やセンスがあるという意味で「flair」という単語も
この本では13回出てきます。

いわく、

「Rockefeller had a flair for merchandising」、
business flair」、
a retailer’s flair」とか。

なかなか便利な言葉ですね。

ということで、ロックフェラーさん(まだ高校出たばかりだからロックフェラー君
というべきか)、社会人として幸せなスタートを切ります。

2015年6月2日火曜日

「英語にハマりませんか?」No.141

いやー、暑い5月でした。

最近は「Titan」だけ読んでいると思われるかもしれませんが、
山崎豊子の「不毛地帯」にもかなりはまっています。

どちらもビジネスマンを描いた、一方はノンフィクション、他方はフィクションと
いうことで、私のような小心者にはできないスケールの大きな人生を代理体験させて
もらっています。

さらに言えば、
毎日、翻訳能力の維持という目的でForeign Affairsという外交専門誌の論文(英語)
タイプアップし、日本語に訳すというエクササイズも行っています。

今回はそこから久しぶりに抜粋したいと思います。

The Impact of Globalization on Income and Employment
グローバリゼーションが所得と雇用に与える影響)

という表題です。

冒頭から気になるのは、「The Impact」、なのですね。複数ではない。
影響という概念なわけですな。

まず出てくる文章は、

Globalization is the process by which markets integrate worldwide.

「グローバリゼーションとは、世界中の市場が統合していくプロセスである。」

です。

by which」なんですな。「in which」ではない。
色々な要因というか、力によって市場が統合されていくという意味ですかね。

もうひとついきましょう。

Until about a decade ago, the effects of globalization on the distribution 
of wealth and jobs were largely benign.

「約10年前までは、グローバリゼーションが富の分布と雇用に与える影響は
主として恵みをもたらす(プラス)ものであった。」

benign」―「tumorにくっつけて良性腫瘍という表現は知っていますが。
辞書的には、無難なとか、悪くないという消極的な意味が第一義ですが、beneficial
という積極的なニュアンスもあるようです。

もういっちょう、少し長めの引用です。

But as the developing countries became larger and richer, their economic 
structures changed in response to the forces of comparative advantage: they 
moved up the value-added chain.

私訳は、

「しかしながら、途上国が成長し、豊かになるのに従って、その経済構造は比較優位
という(見えざる力)に対応して変化を遂げた。つまり高付加価値化という階段を
上り始めたのである。」

としてみました。

日本語的に言うと、「forces = 見えざる力」とした方が良い気がします。
好きですからね、われわれは、雰囲気とか、何か目に見えないものが。

move up the value-added chain」というのは、この論文では、これ以降頻繁に
登場しますが、原料をそのまま販売するのではなく、加工する、さらに言えば、
最終製品またはそれに近い基幹部品を製造できるようになっていくということですね。
日本語では高付加価値化と言われているようです。

以上、真面目に取り組んでしまいました。