2013年3月18日月曜日

「英語にハマりませんか?」No.22

さあ、ちょっとホットな話題を取り上げましょうか。

といっても、Conclaveじゃないですよ。
ニューヨークのSugar ban騒動です!どうもこういう話題の方が突っ込みやすくて好きです。

どうということもない小ネタですが、アメリカを理解する上では重要な意味があると思います。

ニュース自体はsugary drinksの大きさを規制するというたわいもない話なんですが
反対する人が裁判に訴えて、裁判所がその是非を判断するという展開は、アメリカ独特の
裁判所を通じた政策の実施や変更(この場合は撤回)を象徴する出来事だからです。
アメリカの裁判所は「Policymakerの役割も果たしているということですね。

一方で、この問題にからんだ報道や関連する発言でどのような表現や単語が使われているか
という点にも興味をそそられます。

どのような単語を選ぶかが一般の人の受け止め方に影響が与えるというのがアメリカの文化
であるという意味でも、また、自分が英語で発信する場合に色々な角度や表現が可能である
ということを理解する上でも重要です。

たとえば、Wall Street Journal電子版の見出しは「Judge Cans Soda Ban」といかにもおちゃらけ
ですが、内容的には、レストランでの禁煙やトランス脂肪酸を含む食品の禁止といった健康志向
の条例を出してきたブルームバーグ市長にとって意外な敗北だったと結構真面目に分析して
います。トランス脂肪酸の禁止がOKなら、Sugary beveragesize restrictionOKなはずという
有識者の意見も紹介しています。

一方で、反対者の主張を認めた判事は、
the regulations would not only violate the separation of powers doctrine, it would
eviscerate it. Such an evisceration has the potential to be more troubling than sugar
sweetened beverages.

(つまり、「ニューヨーク市の保健局が、市議会の議決を経ずに今回の規則を定めたことは
三権分立の原則に反する。反するどころか、骨抜きにするものであり、砂糖入りの飲料よりも
害が大きいと考えられる」というロジックですな。アメリカ人が言いそうなことですが、判決と
してはなかなかオシャレです。)

そして、市長は、判決に反論する一環として、自主的に大きなソーダの販売を止めている
市内のバーに行って次のように発言しています。

Over the past nine months, we started a national conversation on the linkage between
sugary drinks and obesity, and despite yesterdays temporary setback, I dont think there
is any doubt the momentum is moving in our direction. In weeks and months ahead, we will
 continue to tackle the obesity epidemic and more and more people who.. (後略)

「われわれはこの問題については、9か月にわたって全米の問題として議論してきており
(決して早急に判断したわけではない)、(今回の敗訴は)一時的な停滞にしかすぎず、流れは
われわれの思う方向に動いている」という理屈です。

さらに「obesity epidemic」という言葉を使うことで、公共の利益に叶う規制であると示唆して
いるのがうまいですね。

なお、言うまでもなく、Fatと言う言葉は「politically incorrect」です(not to mention fatso)

もうちょっと分析したいところですが、甘味は苦手で胸にもたれてきそうなのでこの辺にして
おきます。

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