もう今年も終わりです。
ということで、年末に取り上げるのは、
Ec onomistから、 アメリカの弁護士の給料、という景気のよさそうな話題です。
「Lawyers’ pay
Bonus babies
Why big end-of-year payouts for junior attorneys are a double-edged sword」
まず、「bonus babies」とはなんぞやと調べてみたら、
「the not-particularly-complimentary term applied to describe a player receiving
a particularly large signing bonus upon turning pro. They were called “babies”
because of their youth......」
つまり、 元々はルーキーのスポーツ選手に支払われる多額の契約金を意味し 、
褒め言葉という訳ではないそうです。
これは、日本でも、 野球の選手がまだ活躍するかどうか分からないのに1億円といった
見出しとしては、米国の法律事務所に入ったばかりの弁護士(la wyer)に多額の
ボーナスが支払われている、しかし、 それは諸刃の剣であると言っているのですが、
本文は、米国の大手法律事務所の若手弁護士は過去8年間大きな昇 給を受けて
いなかったという書き出しで始まります。
「With law-school graduates plentiful and demand for corporate legal work
tepid, the standard starting salary has been stuck at $160,000 a year since
2007. Heartbreaking, isn’t it?」
ロースクールの卒業生は多く、 企業からの法務サービスへの需要が今一つ盛り
上がらないという状 況を受けて、新規採用者への初任給は2007年以来16万ドルに
ところが、 先月から年末のボーナスの引き上げ競争が突然始まったそうです。
erupted over year-end bonuses.」
その先陣を切ったのが、Simpson Thacherという法律事務所です。
2007年に初任給を最初 に16万ドルに上げた事務所でもあります。
今年米国で上場した中国アリババ社の代理人となって大儲けしたよ うです。
それを見たライバル事務所は直ちに追随したわけです。
(「Mos t of Simpson’s competitors promptly matched its scale.」)
ということで、今年の大盤振る舞いは、 法律事務所にとって主要な収入源である
M&Aの増加、そして、 堅調な株式相場に刺激されてヘッジファンドなどの
法律家への需要 が高まったというファンダメンタルズの改善を反映しているわけで す。
一方で、法律事務所の将来への見通しは決して明るいものではない。
サービス(rote work)について支払ってくれたものですが、 今は自動化したり、
安いところに外注している。
さらに言えば、大手企業は、 複数の法律事務所に競合させてコスト削減を
図っているようです。
(「big clients that typically used to be loyal to one firm now force lawyers
to bid against each other for work.」)
ということで、今年はかなりのボーナスを支給したものの、 基本給については
挙げていない。業績が低下した時に下げにくい。
refuse to raise base salaries, which would be harder to cut in a downturn.」)
結論として、若手弁護士は、 ボーナス景気に沸いているかもしれないが、
その裏で、 ボスは将来ビジネスが低迷するリスクを彼らにシフトしようとして いる。
(「......their bosses are shifting onto them a greater share of the risk
in an industry on the brink of disruption.」)
なるほど。
ここにもグローバル化の波が押し寄せていますね。