2014年5月26日月曜日

「英語にハマりませんか?」No.104

ちょいと久しぶりですが、Economist5/10の記事を取り上げます。

How better rice could save lives
A second green revolution
Technological breakthroughs in rice will boost harvests and cut poverty. 
They deserve support

コメは飢餓に苦しむ多くの人口を救える可能性を秘めている。
2回目の緑の革命となり得る。
但し、財政その他の支援が必要である、というタイトルです。

この緑の革命(Green Revolution)とは、1940年代から1960年代にかけて、高収量
品種の導入や化学肥料の大量投入などにより穀物の生産性が向上し、穀物の大量
増産を達成したことを指します。

この記事の冒頭では、
飢餓の危機に直面していたインドの政府がーマン・ボーローグ氏(不勉強で知りま
せんでしたが、アメリカの大学教授、緑の革命の立役者でノーベル平和賞を受けて
いた)のアドバイスを受けて、最初に小麦、そしてコメの新しい品種(短い茎
short-stemmed)で倒れにくい)を導入し、収量を劇的に増加させ、飢餓を免れた
という成果を上げたと紹介しています。

新しい品種の急速な普及について

they caught on like smartphones

と、ちょい俗な表現を使っているのが面白いです。

そして、

Over the next 40 years the green revolution spread round the world, 
helping ensure that, where its seeds were planted, famines became things 
of the past.

そして現在、第二の緑の革命の機運がアジアで高まっているそうです。
(「Now a second green revolution is stirring in the fields of Asia.」)

最初の革命と異なり、今回は新しい品種を導入するわけではなく、現在ある品種を洪水、
干ばつ、塩害といった過酷な環境に適応できるように改良する形で実現されるということ
です。そうすることで、今まで米が育たなかった土地でも収穫が可能になると。

この革命というか、技術革新は重要になっている、というのは、最初の緑の革命の効果が
もはや得られなくなっているからです(「This revolution is all the more vital because
 the gains of the first are plateauing.」)。

つまり、収量の増加率が低下して、人口の成長率を下回っている。

米というのは、穀物の中でも一番環境の変化に弱いそうです。
一方で、米の栽培には大量の水が必要(「Rice farmers use almost a third of Earth’s
 fresh water」(地球上の淡水消費量の1/3とは知らなかった!))。
米の主要産地はアジアのデルタ地域で、洪水や塩害の影響を受ける。

それでは、第二の緑の革命とはどんなものか?

現在は、2005年に始まった米の遺伝子解析によって洪水への耐性に関わる遺伝子が
発見され、それに基づいて改良品種が開発されて世界中に広まりつつあるという状況です。
塩害その他に強い品種を作るための研究も進んでいるようです。

今、この動きを後押しして第二の革命をもたらすために政府に期待されるのは、
農政改革と共に、さらなる研究開発への投資です。

最初の緑の革命を推進したのは政府でした。

今回は巨大なアグリビジネス産業が主役となるのではと思うかもしれないが(実際に
トウモロコシと小麦の新しい品種開発には投資をしている)、コメについては期待できない
そうです。

農家が種を蓄えておいて翌年の収穫に使えるため、市場が非常に小さく、コマーシャル
ベースにならない。ということで、研究開発も国に頼らざるを得ない。

逆に言えば、必要な研究開発投資も比較的少額で、ある試算では25年間で30億ドル程度
の投資を行えば、15,000万人を最悪の飢餓状態から救うことができるそうです。

(「By one calculation, $3 billion of rice research spread over the next 25 years 
would pull 150m people out of extreme poverty.」)

ところが、多くの政府は研究開発投資に神経質(nervousになっている。

政治家の間でも遺伝子改良の研究に公費を投じることについて懸念の声が聴かれる
(「Some politicians worry about publicly backing genetic research......」)。

まあ、この記事でははっきり言っていませんが、遺伝子操作/改良に対する根強い反対や
批判を考慮してということでしょう。

そして、

Other health ministries have moved on to sexier causes, like fighting obesity.
 (肥満対策のようなもっと人目を引くもの。ここでsexyというのは面白い言葉の選択です)」

だそうです。

ということで結論に入ります。

They should think again. It is hard to think of a way to improve more people’s 
lives for less money.

まあ、Economistとしては、素直な直球ですね。

2014年5月21日水曜日

「英語にハマりませんか?」No.103

仕事が一段落しましたので、1週間ぶりに発信といきます!

Economistと思ったけど、仕事の合間に読んでいるiBooksの「The Devil Wears Prada
からの抜粋でお茶を濁すことにします。

読むのは現在11章まで到達しているのですが、それと並行してオーディオブックで朗読されて
いるのを聞きながら、興味深い単語/フレーズを再確認し、発音をチェックするという作業?も
進めております。

現在4章まで来ていますが、聞いてみて思うのは、たった2-3か月前に読んだはずなのに、
単語の意味とかあまり覚えていないものですね、ぶつぶつと言ったところで、目に留まった
単語/フレーズの紹介に入ります。

前回紹介したエピソードと前後しますが、今回はAndreaが悪魔の編集長がいるRunway
という雑誌に雇われることになったばかりで、2週間弱の間にニューヨークで部屋を借り、
引っ越し、そして初めて出社の日を迎えるという下りです。

まず、
ニューヨークの部屋は、高く、狭く、危なくて(「a junkie propped up on the doorstep」)
見つけるのが大変な様子が描かれます。

この小説で書かれている家賃の相場が月1000ドル以上なのに対して、主人公の初任給は
年棒32,000ドルということで、

although math had never been my strong suit, it didn’t take a genius to figure 
out that rent would eat up more than $12,000 of it and takes would take the rest
数学は決して得意な方じゃない私でも容易に分かった)。

同じく、

it doesn’t take a rocket scientist to understand/figure out

というのも、よく使う表現ですね。

なんとか、知り合いの知り合いから「subletした狭い部屋に引っ越しますが、1人暮らしの
経験の無い主人公はIKEA(英語の発音はaikeaに行って目いっぱい家具を買うが、
ベッドと照明器具しか入らず、dressernightstandは返品する破目に。

この点、私は引っ越しを何十回もしているので、まず細かく部屋の寸法を測りますね。
大体部屋は大きめに見える傾向がありますから絶対必要です。それから、家具の縮尺寸法
に切り出した紙を置いて確認します(なかなか緻密でしょ)。

さあ、何とか新居に落ち着いたところで、翌日の初出勤日に着ていく洋服に悩みます。
(「I could do nothing but agonize over what to wear the next day」)

なにせ、ファッション雑誌に勤めるわけですから。「agonize」というから相当悩んだのでしょうね。

初出勤の朝、地下鉄で60thLexingtonの角にある会社に向かいます。59thの駅で降りる
のですから、そこからが分からない。

59th can’t be that far away from 60th, but which way should I walk to make 
the streets go west?(西の方に行くにはどちらに行けばよいのか)」

And where was Madison in comparison to Lexington?」

これは良くわかるな!

一昨年ニューヨークに行った時もどっちに行けばuptownなのか、なかなか分かりません
でした。同行者は土地勘がよかったので助かりましたが、なぜ分からないのか不思議
がられました。

(一方で、この人は「jay walk」(車があまり来ていないときは、信号を無視して渡る)
できませんでした。私は平気。誰も得て不得手があるものです。

まあ、苦闘の末新しい職場になんとかたどり着いたところで、今回は終了です。

2014年5月14日水曜日

「英語にハマりませんか?」No.102

最近iPad/eBooksの読書に慣れて、すっかり気に入っています。

「積読(つんどく)」の大好きな私としては、次から次に読みたい本を電子書店で漁って、
ストックも既に50前後になりました。

但し、全て買ったわけではなく(そのへんは多少学習しています)、とりあえずサンプルを
無料で入手して、読んでみて面白そうだったら購入するという方式で、サンプル取得分が
30冊程度あります。

現在読んでいるのは、

The Devil Wears Prada」、
The Facebook Effect」、
吉川英治の「新書太閤記」

などなどです。

今回は、「The Devil Wears Prada」から面白い表現を取り上げます。

この「The Devil Wears Prada」は、何とも惹かれますね。

私個人は、この小説で描かれているような洒落たパーティーに参加したこともないし、
ファッション業界で働いた経験もないのですが、ここに出てくる、いかにもニューヨークで
働く人々が使いそうなフレーズや表現を見るとついマーキングして

「よし、今度どこかで使ってみよう」(といっても、年2回ぐらいの頻度で出かける海外旅行
しか機会は無いのですが)と思う今日この頃です。

まあ、自分と正反対の世界へのあこがれでしょうかね。

今回紹介するくだりは、ひょんなきっかけからRunwayという一流ファッション雑誌の
悪魔のような編集長(従ってDevilの下で奴隷のようにこき使われることになった若い
女性の主人公が、少し前のパーティーで知り合った売出し中のハンサムでstraight
(ニューヨークなどでは特に貴重な存在みたいです)の作家からの電話を受けての会話です。

Is this the lovely Andrea Sachs(主人公の名前) whom I inadvertently terrified 
at Marshall’s party?

という切り出しから始まります。

マーシャル主催のパーティーでうっかり驚かせてしまったアンドレアさんですか?」と。

これに対して、ルックスという意味でも、作家としての才能でも惹かれていた主人公は、

wanting to impress him with my wit and charm

という動機から、

「......who may I ask is this?  There were a number of men who terrified me 
that night …..」(私をびっくりさせた男は沢山いたけど)と切り返します。

それに対して、Christianというイケメン作家は、

I didn’t realize I had so much competition」(そんな沢山いたなんて)と返します。
competitionという切り替えしがカッコよいですね!

そして、Christianから、仕事はどうと聞かれたAndreaは、はりきってやっているとか
適当に答えますが、鬼編集長の下で働く過酷さを聞いているChristianは、

You’re a rather deft liar.  To an untrained ear that almost sounded believable, 
but …. You can’t bullshit a bullshitter.   Don’t worry, though.  I’ll let you get away 
with it this time

嘘がうまいね、でもyou can’t bullshit an bullshitter」(私も嘘はうまいから、騙されない
よ)とナイスリターン。

bullshitはアメリカ発祥の言葉だそうで、大言壮語、とんでもないことを言うという意味で、
嘘というわけではない(とてつもない、突飛なことを言うことで、嘘とは限らない)というのが
辞書的な説明ですが、この文脈では「嘘」でOKだと思います。

I’ll let you get away with it this time
今回は見逃してあげるよ、というのもいいですね。

といったイントロがあって、

Christianは週末のパーティーに来ないかと誘いますが、現在付き合っているボーイフレンド
への配慮もあって、Andreaは断ります。

すると、

I’ll let you off this time.  But I’ll be asking again.  And I think next time you’ll 
say yes.

とさらりと引きます。この辺の粘り腰がいいな。

Christianに「irresistibleな魅力を感じているAndreaは、もうちょい引っ張ります。

Oh, really? What gives you that impression?

なるほど、これはまだ脈ありのサインなのかな。

Just a hunch…    I was just extending a friendly invitation for a good meal and 
good company.」という締めです。

嘘なのだけど、こういう言い方は紳士的でよいですな、カワイイというか。

私は「hunch」と言う言葉が好きです。
educated guess」もいいですが、hunchはひらめきというか、切れる感じがします。

それでは、次回はEconomistの記事にするかな。

2014年5月8日木曜日

「英語にハマりませんか?」No.101

今回は、久しぶりにウォールストリートジャーナル(WSJ)のPodcast配信(音声ニュース)
から病院についてのレポートを取り上げます。

内容的には、最近の病院は診療科目も増えて、そのたびに最初の建物の増築という形で
施設を拡充しているところが多く、内部が複雑になり、患者や見舞客にとって分かりにくい
ことが問題となっている、そして、それに対して病院はどのような対策をとっているのか
という調査報道です。

それほど大したニュースではないのですが、身近にある問題についてどういう風に
分かりやすく説明していくかという点が勉強になると思って選びました。

まず、司会者が現況を説明し、その後、取材を行った記者に質問していくという形で
進行します。

司会者:「Ever got lost in a hospital because of a maze of corridors, or 
lousy signageYou are not alone, and hospitals are beginning to realize that 
they have design problems.  As patients and visitors struggle to navigate 
the complexes, that adds injury to stress and anxiety if they are in tests 
and procedures.

ニュースレポートでよく聞かれる、まず質問から始めるというスタイルです。

a maze of corridors」、「lousy signage」と続けているのは、主題を分かってもらう
という狙いですね。

そして「You are not alone」と。なかなか小気味よいテンポです。
そして、病院でも「design problems」があるという認識が高まっている。
ここまで一気ですね。

そして、
患者と訪問者はこの複雑な施設内で「struggle to navigate」する結果、「adds injury 
to stress and anxiety」になるというわけです。

さあ、この「struggle to navigate」という表現は、この手の「内容は簡単なのだが、
分かりやすい日本語に訳すには一工夫が必要」という点が特徴です。

さっと訳せば「施設内の行き来に苦闘する」、もっと具体的に言えば「行先にたどり着くのが
一苦労」という感じです。もっと色々な言い方が考えられます。

実際の仕事でこういう表現に出会ったとき、どうかすると納得できる訳ができないと
悩んでしまい、思いがけず時間を消費することがあります。割り切りが必要であり、
もしこだわりから抜けられない場合には、ひとまず先へ進んで後で戻ってくるというやり方が
よいでしょう。

adds injury to stress and anxiety

という表現は、もともとは「add insult to injury(ふんだりけったり)」の応用であると
思われます。普通は「injury」を前に置いているようですが、後に置くのもOKのようです。

この例からは、定型のフレーズをちょっと変えるというのはOKというかカッコいい
使い方だなということが分かります。

さて、本題に戻りましょう。

司会者による上記のイントロを受けたレポーターは次のように返します。

I don’t know if you have ever wonder in the hospital to find a room, but 
you can sort of envision some of the problems people have, I mean, lost in 
bad signage, corridors and alleys twisting one way get to where you are going, 
it’s not there, so, I think, as hospitals have expanded over the years, 
a lot of hospitals started out with one building, may add another wing, put 
something down and something else up.

こういう言い方は、私はアメリカ人らしいなと思います。

ある主題についての情報を矢継ぎ早に付け加えていくことで話を盛り上げようとする
戦略ですね。日本人にとっては、これだけの情報がわーと怒涛のごとく押し寄せてくる
ので何か重要なことを言っていると思ってしまいがちですが、要するに司会者の
言ったことをもうちょっと噛み砕いて説明しているわけです。

たとえば、

struggle to navigate

に対応しているのが

wonder in the hospital to find a room

ということです。

lousy signage」は「bad signage」に代わっているだけ、そして、最後の部分でも、
多くの病院が最初は1棟の建物から、増築を経て拡張されてきたという同じ説明です。

それじゃ、病院はこの状況にどのように対処しているかという話に入ります。

最初はボランティアのガイドを置いたようです。赤い上張りを着ているので「readcoat
呼ばれているようです。その後は、キオスクに自動案内機を置く病院が出てきます。
その操作手順に従って案内情報がどのように表示されるかが説明されています。

「......you touch the screen or you come up with the screen, the screen will 
talk to you, and says “How can I help you today?”, and if you just hit the screen, 
you know, walk you through the series of steps to find the direction, and 
some of them are more sophisticated one. 

A company called Logic Junction, they actually print out the reports or a 
little map for you to take you to the next step.

現在はさらに進んでスマートフォンからアクセスできるシステムが開発されているよう
です。日本はどうなっているのですかね。

このレポート自体はもう少し続きますが、簡単なことをどう「丁寧に(くどくど?)」説明
するかはある程度学べた気がするのでこの辺にしておきます。

病院の中は分かりにくいよねという、そのままでも話題になるし、また、何か不便な
ことについて愚痴というか、軽く文句を付けるという共通項で、たとえば渋谷駅や
新宿駅の迷路状態を説明し、どうやって「navigate」していくかを話すといった応用が
考えられます。

ということで、今回はこの辺で。

2014年5月1日木曜日

「英語にハマりませんか?」No.100

とりあえず、このブログも100回を数えました。

まあ、サポートしてくださる方々のおかげで何とかマイルストーン(日米首脳会談のように
「キー」を付けるほどすごいことでもないですが)を迎えることができました。

ということで、
100回記念はEconomistから石炭についての記事です。
Don’t ask me why! 特に理由はありませんから。)

石炭は安くて豊富だが環境汚染が問題という、既に知られている情報であり、議論ですが、
Economistそれをどういう視点や表現で伝えているかという点で興味深いと感じ、
取り上げました。

まずタイトルからいじりがいのある感じです。

Coal
The fuel of the future, unfortunately
A cheap, ubiquitous and flexible fuel, with just one problem
Apr 19th 2014

unfortunatelyと付け足してあるのが面白いですね。

「残念な未来の燃料」とか、「未来の燃料、ちょっとがっかり」というのはどうでしょうか。

with just one problem」とさらに皮肉なトーンを加えています。
問題はたったひとつだけど、その問題がね」と、石炭が反論できないことをよいことに(?)
ずいぶんな言いようです。

このトーンは書き出しにまで続きます。

WHAT more could one want? It is cheap and simple to extract, ship and burn. 
It is abundant: proven reserves amount to 109 years of current consumption ….. 
They are mostly in politically stable places.

安く、採掘、輸送、使い方も簡単で、しかも、生産地は政治的に安定している、これ以上
望みようがないと。

実際に、産業革命の原動力となった素晴らしい燃料なわけです(this wonder-fuel 
once powered the industrial revolution)。

しかし、

coal would indeed be a boon, were it not for one small problemit is 
devastatingly dirty......

石炭は天からの授かりものと言えるのだが、ひとつだけ問題がある。
「限りなく」汚いこと。

would …. were it not for」という構文は、機会があれば使ってみたいですね。

そして、燃焼から排出される二酸化炭素は温暖化の大きな原因で、最近よく聞くPM2.5
加わって、見方によっては原子力発電所よりも危険である。

と、石炭の害について容赦のない指摘が続いた後、ちょいひねった話の展開です。

But poverty kills people too, and slow growth can cost politicians their jobs
Two decades of environmental worries are proving only a marginal constraint 
on the global coal industry.

「貧困も死を招くし、経済が成長しないと政治家は職を失うことになる」という面白い
表現で、貧困対策や経済成長の必要性から、石炭産業に対しては懸念の割にあまり
制約が課されていないという現状を指摘しています。

たとえば、アメリカの石炭火力発電への依存度は、シェールガスへの転換から閉山する
企業もあるが、現在26%、2040年でも22%と予想される。なるほど石炭の占める割合は、
なんとなく感じていた以上に高いですね。

どうも中国のPM2.5の報道が目立つので、中国その他の先進工業国に特有の問題かと
考えがちですが。

なにせ安いから(「So long as consumers do not pay for coal’s horrible side-effects, 
that makes it irresistibly cheap.」、ドイツでさえも天然ガスの半分という価格で需要は
旺盛(電力では第1のシェア)だそうです(「It is a paradox that coal is booming in a 
country that in other respects is the greenest in Europe」)。

そうですよ、「緑の党」が連立政権を担ってきた国でね。確かに矛盾していますね。

という状況ですが、
国際的に展開する石炭会社にとって懸念は2

各国政府が規制に乗り出すこと(「governments may eventually impose punitive 
levies, tariffs and restrictions on their mucky product、そして、供給過剰
(「global glut」)です。

これに対して、
石炭産業が一番期待しているのは技術革新。

今、進められている微粉砕(pulverizing)してガスを抽出する技術は、ある程度は
CO2対策にもなるそれでも汚い燃料としての石炭の与える環境被害を大きく軽減する
ものではないし、巨額の補助金も必要。

たとえば、
ミシシッピー州で建設された、いわゆるクリーンコールを燃焼する発電所には、
52億ドルの補助金がつぎ込まれているが、発電コストはキロワットあたり6,800ドルと
最も高くなることが予想されると。

そして、

At those prices, coal is going to stay dirty.

(この価格では、石炭は汚い資源であり続ける。つまり、新しい技術はあまり普及が
進まず、従来の方法で消費(燃焼)される)という結論です。

そうなのです、これで終わりです。

いつものように四の五の言わない、あまりにもあっさりとした終わり方です。

色々議論してきたけども、結局石炭との上手な付き合い方はまだ見つからないなと。
Economist特有のひねりがあるかと思ったけど、ちょっと拍子抜けの記事でした。