2014年5月8日木曜日

「英語にハマりませんか?」No.101

今回は、久しぶりにウォールストリートジャーナル(WSJ)のPodcast配信(音声ニュース)
から病院についてのレポートを取り上げます。

内容的には、最近の病院は診療科目も増えて、そのたびに最初の建物の増築という形で
施設を拡充しているところが多く、内部が複雑になり、患者や見舞客にとって分かりにくい
ことが問題となっている、そして、それに対して病院はどのような対策をとっているのか
という調査報道です。

それほど大したニュースではないのですが、身近にある問題についてどういう風に
分かりやすく説明していくかという点が勉強になると思って選びました。

まず、司会者が現況を説明し、その後、取材を行った記者に質問していくという形で
進行します。

司会者:「Ever got lost in a hospital because of a maze of corridors, or 
lousy signageYou are not alone, and hospitals are beginning to realize that 
they have design problems.  As patients and visitors struggle to navigate 
the complexes, that adds injury to stress and anxiety if they are in tests 
and procedures.

ニュースレポートでよく聞かれる、まず質問から始めるというスタイルです。

a maze of corridors」、「lousy signage」と続けているのは、主題を分かってもらう
という狙いですね。

そして「You are not alone」と。なかなか小気味よいテンポです。
そして、病院でも「design problems」があるという認識が高まっている。
ここまで一気ですね。

そして、
患者と訪問者はこの複雑な施設内で「struggle to navigate」する結果、「adds injury 
to stress and anxiety」になるというわけです。

さあ、この「struggle to navigate」という表現は、この手の「内容は簡単なのだが、
分かりやすい日本語に訳すには一工夫が必要」という点が特徴です。

さっと訳せば「施設内の行き来に苦闘する」、もっと具体的に言えば「行先にたどり着くのが
一苦労」という感じです。もっと色々な言い方が考えられます。

実際の仕事でこういう表現に出会ったとき、どうかすると納得できる訳ができないと
悩んでしまい、思いがけず時間を消費することがあります。割り切りが必要であり、
もしこだわりから抜けられない場合には、ひとまず先へ進んで後で戻ってくるというやり方が
よいでしょう。

adds injury to stress and anxiety

という表現は、もともとは「add insult to injury(ふんだりけったり)」の応用であると
思われます。普通は「injury」を前に置いているようですが、後に置くのもOKのようです。

この例からは、定型のフレーズをちょっと変えるというのはOKというかカッコいい
使い方だなということが分かります。

さて、本題に戻りましょう。

司会者による上記のイントロを受けたレポーターは次のように返します。

I don’t know if you have ever wonder in the hospital to find a room, but 
you can sort of envision some of the problems people have, I mean, lost in 
bad signage, corridors and alleys twisting one way get to where you are going, 
it’s not there, so, I think, as hospitals have expanded over the years, 
a lot of hospitals started out with one building, may add another wing, put 
something down and something else up.

こういう言い方は、私はアメリカ人らしいなと思います。

ある主題についての情報を矢継ぎ早に付け加えていくことで話を盛り上げようとする
戦略ですね。日本人にとっては、これだけの情報がわーと怒涛のごとく押し寄せてくる
ので何か重要なことを言っていると思ってしまいがちですが、要するに司会者の
言ったことをもうちょっと噛み砕いて説明しているわけです。

たとえば、

struggle to navigate

に対応しているのが

wonder in the hospital to find a room

ということです。

lousy signage」は「bad signage」に代わっているだけ、そして、最後の部分でも、
多くの病院が最初は1棟の建物から、増築を経て拡張されてきたという同じ説明です。

それじゃ、病院はこの状況にどのように対処しているかという話に入ります。

最初はボランティアのガイドを置いたようです。赤い上張りを着ているので「readcoat
呼ばれているようです。その後は、キオスクに自動案内機を置く病院が出てきます。
その操作手順に従って案内情報がどのように表示されるかが説明されています。

「......you touch the screen or you come up with the screen, the screen will 
talk to you, and says “How can I help you today?”, and if you just hit the screen, 
you know, walk you through the series of steps to find the direction, and 
some of them are more sophisticated one. 

A company called Logic Junction, they actually print out the reports or a 
little map for you to take you to the next step.

現在はさらに進んでスマートフォンからアクセスできるシステムが開発されているよう
です。日本はどうなっているのですかね。

このレポート自体はもう少し続きますが、簡単なことをどう「丁寧に(くどくど?)」説明
するかはある程度学べた気がするのでこの辺にしておきます。

病院の中は分かりにくいよねという、そのままでも話題になるし、また、何か不便な
ことについて愚痴というか、軽く文句を付けるという共通項で、たとえば渋谷駅や
新宿駅の迷路状態を説明し、どうやって「navigate」していくかを話すといった応用が
考えられます。

ということで、今回はこの辺で。

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