2014年5月1日木曜日

「英語にハマりませんか?」No.100

とりあえず、このブログも100回を数えました。

まあ、サポートしてくださる方々のおかげで何とかマイルストーン(日米首脳会談のように
「キー」を付けるほどすごいことでもないですが)を迎えることができました。

ということで、
100回記念はEconomistから石炭についての記事です。
Don’t ask me why! 特に理由はありませんから。)

石炭は安くて豊富だが環境汚染が問題という、既に知られている情報であり、議論ですが、
Economistそれをどういう視点や表現で伝えているかという点で興味深いと感じ、
取り上げました。

まずタイトルからいじりがいのある感じです。

Coal
The fuel of the future, unfortunately
A cheap, ubiquitous and flexible fuel, with just one problem
Apr 19th 2014

unfortunatelyと付け足してあるのが面白いですね。

「残念な未来の燃料」とか、「未来の燃料、ちょっとがっかり」というのはどうでしょうか。

with just one problem」とさらに皮肉なトーンを加えています。
問題はたったひとつだけど、その問題がね」と、石炭が反論できないことをよいことに(?)
ずいぶんな言いようです。

このトーンは書き出しにまで続きます。

WHAT more could one want? It is cheap and simple to extract, ship and burn. 
It is abundant: proven reserves amount to 109 years of current consumption ….. 
They are mostly in politically stable places.

安く、採掘、輸送、使い方も簡単で、しかも、生産地は政治的に安定している、これ以上
望みようがないと。

実際に、産業革命の原動力となった素晴らしい燃料なわけです(this wonder-fuel 
once powered the industrial revolution)。

しかし、

coal would indeed be a boon, were it not for one small problemit is 
devastatingly dirty......

石炭は天からの授かりものと言えるのだが、ひとつだけ問題がある。
「限りなく」汚いこと。

would …. were it not for」という構文は、機会があれば使ってみたいですね。

そして、燃焼から排出される二酸化炭素は温暖化の大きな原因で、最近よく聞くPM2.5
加わって、見方によっては原子力発電所よりも危険である。

と、石炭の害について容赦のない指摘が続いた後、ちょいひねった話の展開です。

But poverty kills people too, and slow growth can cost politicians their jobs
Two decades of environmental worries are proving only a marginal constraint 
on the global coal industry.

「貧困も死を招くし、経済が成長しないと政治家は職を失うことになる」という面白い
表現で、貧困対策や経済成長の必要性から、石炭産業に対しては懸念の割にあまり
制約が課されていないという現状を指摘しています。

たとえば、アメリカの石炭火力発電への依存度は、シェールガスへの転換から閉山する
企業もあるが、現在26%、2040年でも22%と予想される。なるほど石炭の占める割合は、
なんとなく感じていた以上に高いですね。

どうも中国のPM2.5の報道が目立つので、中国その他の先進工業国に特有の問題かと
考えがちですが。

なにせ安いから(「So long as consumers do not pay for coal’s horrible side-effects, 
that makes it irresistibly cheap.」、ドイツでさえも天然ガスの半分という価格で需要は
旺盛(電力では第1のシェア)だそうです(「It is a paradox that coal is booming in a 
country that in other respects is the greenest in Europe」)。

そうですよ、「緑の党」が連立政権を担ってきた国でね。確かに矛盾していますね。

という状況ですが、
国際的に展開する石炭会社にとって懸念は2

各国政府が規制に乗り出すこと(「governments may eventually impose punitive 
levies, tariffs and restrictions on their mucky product、そして、供給過剰
(「global glut」)です。

これに対して、
石炭産業が一番期待しているのは技術革新。

今、進められている微粉砕(pulverizing)してガスを抽出する技術は、ある程度は
CO2対策にもなるそれでも汚い燃料としての石炭の与える環境被害を大きく軽減する
ものではないし、巨額の補助金も必要。

たとえば、
ミシシッピー州で建設された、いわゆるクリーンコールを燃焼する発電所には、
52億ドルの補助金がつぎ込まれているが、発電コストはキロワットあたり6,800ドルと
最も高くなることが予想されると。

そして、

At those prices, coal is going to stay dirty.

(この価格では、石炭は汚い資源であり続ける。つまり、新しい技術はあまり普及が
進まず、従来の方法で消費(燃焼)される)という結論です。

そうなのです、これで終わりです。

いつものように四の五の言わない、あまりにもあっさりとした終わり方です。

色々議論してきたけども、結局石炭との上手な付き合い方はまだ見つからないなと。
Economist特有のひねりがあるかと思ったけど、ちょっと拍子抜けの記事でした。

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