2013年10月3日木曜日

「英語にハマりませんか?」No.70

All the President’s Menです。

さあ、ちょっと事件をややこしくする展開があります。

LA Timesが、以前に出てきたBaldmanとの5時間に及ぶ単独インタビューwithout paying a 
pennyを掲載する。

それによれば、Baldmanはウォーターゲート事件に直接かかわっており、事件当時は電話の
盗聴をしていた。そして、盗聴記録も持っているとのこと。

そして、ウォーターゲート事件で雇った連中がしょっぴかれていくのも見ていた(「he watched 
the police had lead five of hishirelings from Watergate.」)。

BernsteinWoodwardは「aced out」(出し抜かれた)ことになる。

Bradleeは、このスクープ記事について「I would like to have had that one」という上品な
言い方で、grimaceしただけであったが、後で「I can’t kick ass for getting scooped, but I do 
let it be known that I felt let down and that I hate it.」と述べている。

LA Timesのインタビューではさらに、秘密資金を受け取っていた3人――ポストでは今まで
掴んでいなかった人物も名前が挙がった。

Bernsteinは、LA Timesに追随する記事を書くが、Baldmanの情報はincorrectだったのだ!

新たな3人についても間違いであるし、wiretapped conversationの記録も存在しなかったので
ある。

Three men had been wronged.」という面白い表現で出てきます。

ここで、余談として、

Bernstein had been taking good-natured complaints from the copy desk about his 
penchant for late-night fixes or changes in his stories.」(こういう表現を紹介するのもこの
ブログの目的です)

good-natured」-他愛の無いという感じですかね。

記者が、記事を寸前で変更するというのはしょうがないと言えばしょうがないですが。

本筋に戻ると、

Bernsteinは、「government lawyer」と名乗る男からの電話を受ける。

自分の仕事はウォーターゲートには全く関与していないが、関係があるのではないかと思われる
変な話を知り合いから聞いたとのこと。

この通報者によると、テネシー州ナッシュビルのAssistant district attorneyが、ニクソン
キャンペーンで変わった仕事のオファーを受けた(「asked to go to work for the Nixon campaign 
in a very unusual way」)。

民主党の選挙運動を妨害するための活動を行ってくれという話である(民主党が借りる施設の
契約を勝手にキャンセルといった「fuck up the logistics」を含めた後方攪乱)。資金は無制限との
ことだった。

Bernsteinは、この情報について、既に確認されている怪しげな活動と合わせて「evidence of a 
broader scheme」の一端ではないかと考えた。

つまり、Bernsteinは次のような仮説を立てます:

The White House had been in the political intelligence business in a much bigger way 
and much longer than most people figured.  Watergate could have been scheduled before 
Nixon’s reelection chances looked so good and perhaps someone neglected to pull the plug.

なるほどね。

ウォーターゲート事件だけを考えると、その時点でニクソンは絶対有利だったわけでそんなせこい
ことをる必要はなかったと考えられるが、ずっと前から絶対再選するという決意のもとに広範囲な
活動をやっていて目が行き届かず、自制が働かなかったと考えるとつじつまが合ってくるという
わけです。

pull the plug」-手を引く

Managing editorSimonにこの話をすると、興味を持ち、ナッシュビルのassistant district 
attorney接触するように指示します。

彼もBernsteinと同じくちょっとした情報から重大な情報を掘り起こしていくのが好きなのです。
(「He shared Bernstein’s fondness for doping things out on the basis of sketchy information」)

dope out」―予想/推測するですが、かなり大胆にというニュアンスです。

一方で、Simonsは、誤報には慎重になっており、何か少しでも確信の持てないことがあったら
1語でも)載せないという方針を何回も記者に伝えています。

また余談ですが、Simonsについての性格描写がちょい面白い

A prize-winning science reporter, Simons had become the number two editor a year 
before. He looked like a Harvard teaching assistant who carries a slide ruler strapped 
to his belt」

(さすがに描写が古いですね。計算尺、私は使っていたことがあります。父親がエンジニアだったので
家にありました)

he is skillful with fragile egos and counterpoint to Bradlee」(自意識過剰ではなく、編集主幹の
Bradleeと対極だった)

Bradlee is like Woodward; he wants hard information first and is impatient with theories.
なるほどイケイケドンドン派ですね。

こういう性格描写は、覚えておくと時々役に立ちます。(そうなんだよなーとか共感のタネになる)

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