2013年10月1日火曜日

「英語にハマりませんか?」No.69

さて、このところ、久しぶりに仕事が忙しく、ブログネタの準備がちょいとおろそかに
なりました。

ローテーション的にはEconomistの記事なんですが、その前に
I have a confession to make
です。

このエコノミストという雑誌を定期購読し、そこから面白い記事を紹介するというのを
続けていますが、これがなかなか難しいという弱音の告白です。

私が翻訳で慣れている経済を含めた各種レポートといったものと比べて、「highbrow
というのか、特に内容を要約しようとする時に緊張というか、苦手意識を感じる今日
この頃です。

どの文章も重要に見えてしまうというか、パラグラフをさらっとまとめられないことが
多いのが原因なのかな。あるいは、うがった見方をすれば、Economist誌として
ざっと読まれてしまわないように(速読のテクとして最初と最後のパラグラフを読む
というのもありますから)こういうスタイルで書いているかもしれない。

これからの研究課題です、と、だいぶ紙面をかせいだところで
Economist9/25号から2つばかり取り上げます。

一つ目は、贋作についての記事です。

In praise of art forgery
The emperor’s new pictures
Fakes say some interesting things about the economics of art

贋作を称えるというよりも、経済学上の視点から見ると意外な意味があるという
内容です。

最初のパラグラフは、芸術家を偉大な存在する要素は何かという問いかけから
始まります

「WHAT makes an artist great? 
Brilliant composition, no doubt. 
Superb draughtsmanship, certainly. 
Originality of subject or of concept, sometimes.
But surely true greatness means that the creator of a painting has brought 
a certain je ne sais quoi to the work as well.

(一応、私、定期購読者ですから、これくらいの長さの引用も時には許されるかな)

je ne sais quoi」-名状しがたいもの。
それを人は(希少)価値と呼び、尊重するわけですね。

英語では時々フランス語をそのまま使う(われわれが漢語を使う感じに似ている
かな)場合があります。

逐語訳すると「je (I) ne (not) sais (know) quoi (what)」ですが、正式には
je ne sais pas quoi」とpasというneと組み合わせて使うのでしょうが、省略されて
いるということですね。

I don’t know what(なんだか分からないよ)」と言いたくなるようなものということ
ですね。以上、私の乏しいフランス語の知識に基づく解説です。

ところが、世の中には、芸術家が表現する名状しがたいものをうまく再現できる
人がいる。それが贋作者だというわけです。

アート市場では、建前上、真似ができないということに価値があり、非常に高い
値段が付く根拠となっている(「That art market pretends that great artists are 
inimitable, and that this inimitability justifies the often absurd prices their 
work commands.」)としているが、作家によっては真似しやすいというのも確か
である(「If they were not, the distinction between original and knock-off 
would always be obvious...」)

そして、議論は、人々は何を根拠に芸術作品に高い金を払うのかという核心に
入ります。

If the purchasers of great art were buying paintings only for their beauty, 
they would be content to display fine fakes on their walls. The fury and 
embarrassment caused by the exposure of a forger suggests this is not so.

つまり、美しいと感じるので満足しているのならば贋作で満足するはずだが
贋作をつかまされたと怒るのはそうでない証拠ということになる。

高額な絵画等は、経済学的には、他の人がどのような位置づけをするかによって
価値が決まる「positional goods」と呼ばれます。

つまり、他の人は手に入れることができないから価値が高いというわけです。
(「Expensive pictures are primarily what economists call positional goods
things that are valuable largely because other people can’t have them.」)

つまり、本物であることと同時に、希少性があるかどうかが評価の重要な要素と
なるわけです。(「All this makes thescarcity and authenticity that underpin 
lofty valuations vital.

従って、どんなに素晴らしい作品で本物であってもたくさんあれば価値が下がる
ということになります(版画など)。

この後結論のパラグラフありますが、分かりにくいので省略します。


2つ目は、

Training Saudi businesswomen
Managing under the abaya
The challenge of teaching leadership to women in an androcracy

この記事を取り上げたのは、私が70年代の後半にサウジアラビアに滞在(日本
企業に勤務し、派遣)した時と女性の地位がどう変わったのかを見てみたかった
からです

書き出しを見る限り、相変わらず要職に就いている女性はほとんどいないよう
ですが、リーダーシップを要請するための教育プログラムというのは出てきている
ようです。

(「TEACHING management skills to Saudi women might seem rather futile. 
Few women in the kingdom hold positions of power, and there are few 
industries in which they are allowed to pursue careers. But a 
leadership-development programme for Saudi women, initiated by the British 
Council...... hopes to make a difference.」)

このプログラムは一応人気があるようですが、難しいのは、何を教えるかという
ことです。男性の上に立つ機会が無い女性に対して。

この記事によれば、

They must learn to influence men without seeming to direct them.

ということで、さりげなく助言する能力みたいことを教えているようです。

それから、コミュニケーション能力を教えるのが大変みたいです。

何せ、黒づくめで顔が見られませんから、

This makes it more difficult to show assertive body language. The tutors 
teach such things as voice control to compensate.

それでも、このプログラムに参加した女性は、

「...... If you keep your hands up and sit at the table to make your voice heard, 
eventually things will change for the better.

と前向きな発言をしています。

そして、遅々としたペースではあるが働く女性の地位は向上しています。

2009年には、女性の教育副大臣が任命されているし、女性のマネージャーを雇う
企業も増えているようです。それでも、女性の弁護士を雇ったサウジ在住の米国の
法律事務所では、

it had to build her a separate office, to ensure that she could not mix with 
her male colleagues.

という状況に変りはないようです。

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