All the President’s Menです。
Bernsteinは、前回出てきたナッシュビルのAssist ant District Attorney (Shipley)と
接触します。
彼によると、
「The deal I was offered was slick」
(辞書だと「最高」とか出ているが、 面白かったという感じですね)
つまり、ケネディー候補の陣営に潜り込み、 そこの人間を説得して、マスキー候補( 同じ
民主党で候補を争っていた有力政治家) の陣営から情報を取ってこさせるという、
CIAの言う「blac k operation」だった。
報酬としては、
「There would as much money as is needed. I was promised the pie in the sky
by and by」
「次から次に絵に描いた餅のような話(好条件というニュアンス) を提示された」という感じ
ですかね。結局話に乗らなかったので、 飛びつきたい提案ではなかったということでしょう。
さらに詳しく話すには、上司の許可がいるとのこと。翌朝、Ber nsteinからShipleyに電話
すると、OKがとれたと いうことで詳しいメモを見ながら話してくれる。
Shipleyは軍隊を 辞めたばかりだった。
「how would you like to work in an operation doing a little political espionage?」
と持ちかけてくる。
たとえば、ケネディー陣営の大会に行き、 参加者を懐柔してマスキー陣営の情報を
取らせたりする( 自分はケネディー陣営の「秘密工作員」ということにする)。
Se grettiに誰の陣営で働いているのかと聞くとニクソンだとい うので、
「I was taken aback」
(びっくりした)
「The main purpose is Democrats not having the ability to get back together
after a knock-down, drug-out campaign….. What we want to do is cause enough
havoc so they can’t」
(「knock-down, drug-out」(熾烈な) 大統領候補指名争いの後で民主党陣営がひとつに
まとまるのを妨げ ることが目的である。 そのために攪乱工作を行うということのようです)。
なるほどね。
1971年の7月になって、Shipleyは、ゴア上院議員( 民主党)のスタッフにSegrettiからの
オファーについて話 す。
「I told him I wasn’t interested but was wondering if it might help the Democrats
if I played along. Or I should drop it immediately?」
と聞くと、
「He said, “Don’t stick your neck out, but don’t say no; see what you can find out.”」
ここは、使えそうなイディオムがあるので長く引用してみました。
「play along」―とりあえず協力する、同意するふりをする。
「stick your neck out」―危ないことをする。ここでは、 ばれそうな動きはするなという
感じですかね。
その後も、Segrettiは連絡してきて、 色々な話や誘いをしてくる。
「The gist of that conversation was, “Are you with me or not?”」
(どの程度本気なのかを確かめたかった)
Segrettiによれば、彼が求めているのはLawyer。
そして、
「It was not represented as strictly a strong arm operation. And he stressed what fun
we could have……」
手荒い仕事ではなくて、 むしろ面白いよということで、 民主党が党大会で予約していた
施設のマネージャーに電話して「r owdies, hippies」 の類が押し寄せるという情報を得たので
開場を延期するように指示 すると、時間通りに来た民主党の関係者は開いているはずの
「pa dlock(南京錠)」 が掛けられたままになっていて困るという例を挙げます(prac tical
jokeみたいなものですが、明らかに業務妨害ですよね!)
その後も時々連絡があったが、現在は途絶えている。
Shipleyは連絡先を聞いていない。
Bernsteinは、Segrettiについてさらに詳しい情 報を求めると、一度「false ID for travel」を
作ったらと勧められたことがあるが、 そういうのは得意じゃないと断ったという話も出てくる。
また、 ニクソン再選後は政府の役職に就けるとも言われた。
それに対して、Shipleyは、「How in hell are we going to be taken care of if nobody
knows what’s going on?」
( 誰も知らないはずの秘密工作に従事しているのにそういう処遇が受 けられるか?)と疑問を
呈すると、
「Nixon knows that something is being done. It’s a typical deal.
Don’t-tell-me-anything-and-I- won’t know.」
(このへんは日本人お得意の腹芸と同じで、 万事心得ているというアバウトな答)という答が
返ってきます。
但し、Shipleyも、Segrettiがニクソンのために働 いていたかどうかの確証は持っていない。
一言で彼を表現すると、背が低く、童顔、ナイーブであり、 自分で言っているような、 ニクソンの
再選に関わる活動の全米的な取りまとめ役に適している とは思えなかった。
「He would more or less be the head coordinator of the operation for the whole country,
but a lot of things he proposed to do were not that damaging」
(提案してきたのはちょろい仕事が多かった) ということだそうです。
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