Foreign Affairsのクリーンエネルギー関連論文の続きです(p. 117の最後のパラグラフ)
現在の助成金に頼りすぎ、 商業的に成立するクリーンエネルギーが開発できていない状況を
打 破するための提案が続きます。
今回のパラグラフ、全ての文が含蓄が深く、参考になりますが、 全文掲載はできないので、
とりあえずかいつまんで検討します。 ご興味のある方はバックナンバーを。
前回からの続きで、連邦政府の助成基準の変更を提案しています。
「A federal standard should also be designed to encourage a shift away from mature
renewable-energy technologies and toward the next generation of more innovative
technologies that could ultimately scale up without the help of subsidies.」
「shift away from….. toward」がよいですね。離れるという感じが出ていて。
「mature renewable-energy technologies」ということは、成熟しているけど、 大した効果が出て
いない(一本立ちできない)という意味ですな。
「ultimately scale up」というのは、最終的にある規模(商業)に達することができ るということ。
その代わりに、クリーンエネルギーという定義を広げて、 既存の技術と競争できるような
(「compete on performance」) 技術開発をプッシュすることが提案されています。
実際の働き(効果) に基づいて競争できるような技術ということです。
さらに言えば、
「These measures would also put the industry on firmer political footing by emancipating
it from subsidies that are prone to disappear when they get too big to escape the notice
of budget hawks.」
日本語の措置/対策といった言葉が出てくる場合、「measur es」とするのが一般で、結果として
ODA等の報告書では多用さ れることになりますが、 英語の世界ではこれぐらいの頻度でしか
出てきませんね。
「fir mer political footing」クリーンエネルギー産業の政治基盤を強くする( 言い換えれば、
政治に影響を受けにくくする)ということですな。
「… prone to disappear...」はうまいですね。
アウトプットが考えられる。
「 予算削減派の目を逃れることができないような規模に達して削減の 憂き目にあう」といった
感じですか。
p.118
より具体的な提案に入ります。
「The U.S. government must focus the scarce fiscal resources it devotes to clean energy
on smarter subsidies that can close the funding gaps in technology and commercialization.」
分かったような、分からないような感じなので、 とりあえず訳してみると、「米国政府は、
ギャップを低減する可能性がある という意味でより賢い補助を行う必要がある。」
「smarter subsidies」か、 より賢明な補助といってもあまりインパクトでませんが。
「Such programs have been controversial with analysts who fear that the government
might back the wrong horse.」
「controversial with analysts」というのは意外。 アナリストの間で議論になるということでしょう
が、 こんな簡単でいいのという感じです。
「might back the wrong horse」日本語の辞書では「弱い馬に賭ける」とありますが、 英語の
辞書で見ると「to be mistaken in judgment, especially in backing a losing candidate」という
ことで、 判断を誤って間違った選択をするというニュアンスですね。
「Adding a layer of insulation between the DOE’s main budget and ARPA-E would give
the agency freer rein to invest in only the most innovative technologies that private investors
are less willing to support.」
突然出てきましたが、「ARPA-E」というのは、 高等研究計画局という米国政府の研究機関で
Eが付くのでエネルギ ーを専門としています。 エネルギー省と予算や仕事が重複あるいは
取り合いになるという弊 害をこの論文では指摘しています。
「adding a layer of insulation」というのは、 日本語で言うとワンクッション置くという感じですかね。 それによって、ARPA-Eの自主性(「free rein」)を発揮させましょうということのようです。
「Improving ARPA-E will require steady funds – its budget has been on the chopping block」
さらに言えば、 削減の対象になりがちな財源を安定させるということですね。
「c hopping block」は分かりやすい。
ということで、
今回は、かなり抽象的な議論でしたが、
慣れるため