2013年6月6日木曜日

「英語にハマりませんか?」No.33

Foreign Affairs 2011 7/8月号「The Crisis in Clean Energy」という記事です。

1-2の文章をぱっと見てできるだけ暗記し、入力という練習ですが、オバマの戦略という論文を
終わって、クリーンエネルギーの危機という、またまたややこしそうなネタに移りました。

実はちょっと前から読んでいるのですが、面白そうな単語やフレーズをマークしていただけ
なので、再度精読しました。よく読むと一見固い文章にもさまざまな仕掛けが施されています。

副題が「Stark Realities of the Renewables Craze」と、ちょいと妙ちきりんです。

再生可能エネルギーは熱烈に支持する国や人も多く、ブームにもなっているが、現実は???
ということですね。「craze」というのは面白いですね。熱狂という感じですが、「boom」でも
よいし、「spree」(BusinessWeekでよく見かけます)などもありだと思います。

「After years of staggering growth, the clean-energy industry is headed for a crisis.」
という書き出しです。

この産業を特に後押ししてきた欧州諸国が債務危機で助成金を減らし、アメリカでも風力発電
の新設タービン数が20年間で初めてマイナス成長に転じたということだそうです。

(しかし、アメリカのWind farmsには圧倒されますね。私の見たのはカリフォルニア(ロスアン
ゼルスから東に200マイルぐらい入った)ですが、何百基も稼働していました。)

危機の原因として、
「The root cause of today’s troubles is a boom-and-bust cycle of policies that have encouraged
investors to flock to clean-energy projects that are quick and easy to build rather than ….
more innovative technologies that could stand a better chance of competing with
conventional energy sources ……」

と政府の気まぐれとも言える政策を手厳しく批判しています。(今採算が取れている数少ない
クリーンエネルギーは、住宅用太陽光発電とブラジルのサトウキビから生産しているバイオ
燃料だけのようです)

「...could stand a better chance...」というのは控えた言い方ですね。

解決策としては、当然のことながら、長期的な視野に立ち、補助金に過度に依存しない、
従って財政緊縮にも影響を受けない産業振興政策だとしています。

ここで「Rather than rely on such "push" incentives, a new strategy must favor policies that "pull" new clean-energy technologies into the market….」という表現が出てきます。

押し付けるのではなく、誘導するということのようです(例としてクリーンエネルギーの生産
割合を徐々に増やすことを義務化した法制度が挙げられています。)

次いで「Anatomy of a Crisis」というセクションに入ると、エネルギー産業にとって技術革新を
果たしていく際の障害が2つあるとしています。

いわく、「technology gap」と「commercialization gap」だそうです。

前者は商業的に成立する可能性が高い技術の不足(基礎研究の必要性)、そして、後者は
新しい技術を実用化するために必要となる投資の不足ということだそうです。

2つを比較すると、「Plugging the commercialization gap is far trickier than plugging the
technology gap because the costs are greater …….」埋めるのは「plug」という言葉を使うん
ですね。「fill」でもよさそうです。

今日のクリーンエネルギー産業にとっても、最も大きな問題は「commercialization gap」だ
そうです。

研究段階では良いアイディアがたくさん出てくるが、「these ideas often die because when it
comes to testing and deployment, governments throughout the world overwhelmingly support
the least risky concepts, which often are the least innovative」

「die」とは日本語でもこういう状況で使います。「deployment」は「普及」という感じですね。
例としては、植物由来のバイオ燃料や陸上の風力発電が挙げられています。

そして、「This pattern has unwittingly created an industry that is unable to scale up and
compete with existing energy sources without government help.(その結果、政府の助成なし
に大規模化や既存のエネルギー技術と競争できない産業となってしまう)」という状況が
起きている。

「This pattern」-この傾向ということですね。 米国も例外ではなく、The U.S. government
lavishes on producers of corn-derived ethanol......despite the fact that almost no one
considers corn-derived ethanol to be an economically viable fuel that can protect the environment or reduce dependence on oil.」

「lavish」というのは皮肉がきいていて、イメージが浮かびます。「squander」はちょっと
きついかな。

というところで、また次回。

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